イギリス・Nothing Technologyは日本でイベントを開催。フルワイヤレスイヤホンとして「Ear」「Ear(a)」を発表した。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2024年4月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
今回、Nothing Technologyとして日本市場を強化するため、日本におけるマネージングディレクターとして黒住吉郎氏を起用した。同氏は4月1日にNothing Technologyに入社し、3週間弱でイベントのプレゼンに立ったことになる(その前から準備はしていたようだが)。
黒住吉郎氏はかつてソニーでXperiaの開発に従事。その後、ソフトバンクや楽天で経験を積み、ソニーに戻ってオーディオを担当。直近ではアップルにもいたことがある。つまり、メーカー、キャリア、Android、iOSというスマホだけでなくオーディオにも精通しているという人物だ。
Nothing Technologyは初代の広報体制がダメダメだったので、あんまりいい印象は抱いていなかったのだが、今回からは広報体制も見直され、かなりしっかりと立て直されている感がある。
黒住氏にインタビューした記事は来週、どこかの媒体に掲載される予定だが、取材のなかで印象的だったのが「スマートフォンに搭載されているNothing OSは、アンディ・ルービン氏が手がけていたEssentialを引き継いでいる」という話だ。
確かに調べてみると、Nothingが2020年に閉鎖したアンディ・ルービン氏のEssential Productsの知財を買収したと報じられている。
アンディ・ルービン氏は「Androidの父」とも呼ばれていたが、Googleを退社後、「Essential Phone」を発売したが、閉鎖に追い込まれていたのだ。独特なユーザーインターフェースで注目されていたが、計画中のプロダクトが発売されることはなかった。
そもそもNothingはMeizuからOPPOに移籍し、OnePlusを立ち上げたカール・ペイ氏が共同創業者となっているメーカーだ。
初代が発売されたころは「透明な筐体でビカビカ光るだけのスマホ」という程度の印象でしかなかったが、今回はChatGPTをいち早く取り入れるなど、フットワーク軽く、しっかりと話題性を提供してきた感がある。
Nothingとして日本市場を強化してきたということは、キャリアへの納入を狙っているのは間違いない。
果たして、Nothingを取り扱うキャリアは出てくるのか。また、Nothingはキャリアが扱ってもいいと思える品質、サポート体制を提供できるのか。
Nothingが今度、どのように進化していくのか、また日本で成功できるのか注目しておきたい。
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