KDDI高橋社長が語る新戦略 ローソン協業でPonta経済圏をさらに拡大、5Gは“auだけ”の強みを生かす(2/3 ページ)

» 2024年05月11日 15時38分 公開
[小山安博ITmedia]

ローソンと取り組む「コンビニ×AI」 auスマートパスプレミアムは「Pontaパス」に

 AIを活用したもう1つの取り組みが、ローソンと協業した「コンビニ×AI」だ。コンビニエンスストア事業にとって次の成長にはAIやDXの活用が必要だと高橋社長。ローソンの業績自体は「非常に好調に推移していると聞いている」(同)とのことで、これを加速するためにAI・DXを活用する。

 そこでまずコンビニの小商圏データとKDDIの位置情報・顧客の趣味嗜好(しこう)データを連携し、AIを活用して利用者に合わせた購買体験として「フリクションレス決済」や「最適なレコメンド」を提供。店舗スタッフ向けにも省人化で業務負荷軽減を実現する。これによって「1店舗あたりの売り上げ拡大、収益力の向上に貢献していきたい」と高橋社長。

KDDI ローソンのデータとKDDIのデータを組み合わせて利用客、店舗スタッフの双方にサービスを提供する

 さらにコンビニをKDDIのリアル接点として付加価値を付与する。KDDIは全国約2000店のauショップに加えて、au PAYユーザー約3500万人とauスマートパスユーザー約1500万会員という設定を有している。

 ここに全国1万4600店舗というローソンの店舗を接点として加える。リモート接客を用いることで、ローソン店舗でスマートフォン契約などの手続きや故障修理、服薬指導、禁輸・保険相談などが実現できる。

KDDI ローソン店舗と組み合わせたマルチコンタクトポイントで接点を拡大して付加価値を強化する

 さらに、この1万4600店という店舗立地を活用するプラットフォームビジネスも想定する。ここに基地局やエッジAI、ドローン拠点、防犯・防災拠点、EVステーションなどを設置することで、ローソンの付加価値を向上させる狙いだ。

 もともとローソンとは共通ポイントPontaで連携していたが、提携に至ったことでPonta経済圏の拡大に寄与することも目指す。ロイヤリティマーケティングとの関係も強化し、三菱商事を加えた4社でPonta経済圏を拡大していくことに「再度取り組んでいきたい」と高橋社長。

 その一環として、クーポンなどのお得なサービスを提供する有料のサブスクリプションサービス「auスマートパスプレミアム」をリブランドして「Pontaパス」に刷新。ポイントや特典の強化、商品レコメンドなどの機能を提供しつつ、ローソンの商材も加えることでローソン店舗への送客も図る。

KDDI auスマートパスプレミアムをPontaパスに刷新。Pontaへの取り組みを強化する

 ローソンでの会員獲得も行うことで、現在の1500万加入から2000万加入までは拡大できる、と高橋社長は見込む。

KDDI 両社の事業シナジーを高めて成長をさらに加速させる

 こうした新しい取り組みを行うローソン店舗について、同社の高輪ゲートウェイ移転に伴い、本社内に新店舗を設置して検証していく方針。

KDDI 新高輪オフィスに新たなローソン店舗を設置する計画

「auマネ活プラン」は7カ月で70万契約を突破して「非常に好調」

 5Gを中心に、DX、金融、エネルギー、LX(ライフトランスフォーメーション)、地域共創に注力する「サテライトグロース戦略」も見直す。これまで2022年から2024年までの中期経営計画だったのが、1年延長して2025年までの取り組みになったことで、特にAIによる付加価値を追加する。

KDDI 新サテライトグロース戦略では、コア事業に加えてDX、金融、エネルギーというOrbit(軌道)1、LX(ライフトランスフォーメーション)の各事業を追加していく

 主力のモバイル事業はスマートフォンとIoTの回線数が戦略の基盤となることから、2025年度末までに8200万超の回線数を目指す。ここに決済・金融、でんき、補償、コンテンツ、ローソンといった付加価値を加えて、さらにローソンやau PAY加盟店といった顧客接点やID数の拡大も図る。ここに対して、AIやデータ分析によって顧客へのメリットを提供する付加価値の強化も図る。

KDDI 基盤となるスマートフォン、IoTの契約数をさらに拡大する

 これによってARPUの収入を拡大させ、持続的に成長させる。でんき以外の付加価値ARPUは年平均2桁成長を狙う。

KDDI 付加価値を強化し、接点・IDを拡大することで成長を目指す
KDDI これによってマルチブランドARPU収入を継続的に成長させる

 現時点では、auマネ活プランがその1つの手法で、7カ月で70万契約を突破して「非常に好調」だという。解約率の改善、通信ARPUの向上に加え、au PAYカードの加入率4.4倍、au PAYカードゴールドの選択率3.5倍、auじぶん銀行の口座契約数が倍増といった効果も生まれているそうだ。

KDDI auマネ活プランの効果

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