ChatGPTで文章の校正や推敲を行ってみようChatGPT使いこなし術(2/3 ページ)

» 2024年05月25日 06時00分 公開
[井上晃ITmedia]

校正用途で使う

 「だ・である調」と「です・ます調」が混在してしまったので、この点を修正していく。手動でやっても良いが、せっかくなのでChatGPTに校正してもらおう。

photo “「新たな文章A(改善版)」には、「だ・である調」と「です・ます調」が混在しているので、「だ・である調」に統一するように修正してください。また、他にも文法的におかしな部分や、常用漢字に当てはまらないものがあったら、指摘してください。”と指示を出した
photo だ・である調に統一された。他の問題点は指摘されなかった

(文章ver.4)ChatGPTがさらに修正した文章──「雪が静かに降り始め、厚着をし、庭に足を踏み入れた。一面に広がる白い雪は、まるで北国の風景の一部のように感じられた。今年初めて触れる雪は、記憶の中で感じたよりも冷たく、少し痛みを伴っていた。私は両手で収まるほどの小さな雪だるまを作りながら、冷たさを感じる指先を息で温めた。雪が降る音だけが、静かな庭に響いていた。ほんの一瞬の間、日常の喧騒から解放されたように感じた。この小さな瞬間が、私にとって特別なものであった。」

類語表現やニュアンスの変更に使う

 このの文章では、「雪が静かに降り始め」→「一面に広がる白い雪」という時系列に違和感があるし、自宅の庭に対して「庭に足を踏み入れる」という表現も変だ。「静か」や「一瞬」「瞬間」といった表現に重複を感じるので、筆者としては手を加えないとまずいと感じる。

 そこで、ChatGPTを駆使しながら、単語や慣用表現の単位で、類語表現を探しながら推敲のヒントを探ってみたい。例えば「厚着をし」の表現の書き換えを探ってみる。

photo “「厚着をし」の部分を推敲します。「厚着」という単語を使わずに、書き換えの候補を10個考えてください。”と指示。類語表現の例が出力された

 筆者のおすすめは、自力で買い替え表現を考えた上で、その書き換え表現について、“「〜」を別の書き方にしてください”と指示してよりより表現がないか探るアプローチだ。

photo 筆者が検証した範囲では、「元の文章の書き換え」を直接依頼しても大したリライトにならない印象だった。そこで、ベースとなる書き換えの方向性をユーザーが考えたうえで、それを遂行するアイデアのヒントをChatGPTに探ってもらうのが効率が良いと感じる。例えば、白い息が「消える」→「溶ける」といった表現のチョイスは、ChatGPTを使ったから気付きを得られた部分だ

 こうしたステップを各所で繰り返し、ところどころでChatGPTを使って書き換えのヒントを探りながら、細部を推敲していく。以下のように整った。

(文章ver.5)ChatGPTで表現を探りながら、筆者が推敲を重ねたもの──「庭が白くなっている。慌てて暖かいコートを着て、庭に足跡を付けにいく。一面に広がる白い雪は、まるで北国の風景を思わせた。今年初めて触れる雪は、記憶の中のそれよりも冷たく、少し痛みを伴っていた。両手で収まるほどの小さな雪だるまを作りながら、赤くなった指先を息で温める。辺りには、雪が降る音だけが響いている。ほんの一瞬ではあるが、日常の喧騒から解放されていた。空に溶けていった白い息は、私にとって特別なものであった。」

 最初の出力に比べると、かなり良い感じになってきた。

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