―― 今回、仕様はグローバル版に近いですが、Xiaomiは参入後、比較的早い段階でおサイフケータイに対応するなど、ローカライズにも積極的でした。やはりおサイフケータイ対応は難しかったのでしょうか。
大沼氏 それがあった方がいいことは確かで、そういったお客さまがいるのも事実です。ただし、今回は3月にグローバルで発売され、日本で早く出すことに焦点を当てました。FeliCaがなくてもいいと言っているのではなく、(FeliCaと発売タイミングの)どちらを優先するのかの決断があったということです。ついていないのは確かに事実ですが、早くお出ししたかったという思いがあります。日本だけ特殊だと部材も変わってきてしまうので、すぐには出せなくなってしまいます。
安達氏 特化した商品ですし、誰もが持っているような台数は出ないので、そこは見定めながら考えていきたいと思います。
―― 今回はオープンマーケットとして投入しましたが、反響が大きかったのはキャリアも見ていると思います。今後、フラグシップモデルをキャリアモデルとして展開していくご予定はありますか。
大沼氏 何をどう出すのかを決めているわけではなく、オープンマーケットで出すものと通信事業者が採用するもの、それと、いろいろな組み合わせ出す特殊な物という3つのカテゴリーがあり、お話をしながら決めていきたいと考えています。今はまっさらな状態ですが、商品を出したことで(キャリアが)どう評価されるかは、しっかりご意見を交換していきたいと思います。
ちなみに、今回もKDDIさんにはau +1 collectionとして出していただけました。通信とひも付いているわけではありませんが、初めての試みなので、どうなるかは見ていきたい。auショップは展示も含めて300店舗に置いています。auショップにはわれわれの他の商品もあるので、トータルでお見せすることができると思います。
―― auショップという意味でいうと、以前発売したチューナーレスTVが好評だったとうかがいました。今回、「Xiaomi TV Max 86"」を発売したのは、その実績もあったからでしょうか。
大沼氏 今回はモニターではなく、シアターという位置付けです。auでやったからというのではなく、日本のお客さまにシアターをご提案したい思いでやっています。
―― スマホやテレビ、タブレットも含めてハイエンドな製品を一挙に投入してきた印象ですが、一方でRedmi Note 13 Pro 5GやRedmi Note 13 Pro+ 5Gも発売しています。この狙いを教えてください。
安達氏 エントリーモデルは、4月にソフトバンクさんから「Redmi 12 5G」が発売され、幅広いお客さまにお届けできる状態になっていましたが、ミッドレンジには穴が開いていました。5、6万円台前後でそこそこパフォーマンスが出る一方で、あまりお値段が高くないミドルレンジモデルは、昨年、日本でお休みしていました。グローバルでいい商品が出てきたので、ここにFeliCaを搭載しました。台数的にも大きく期待している商品です。
普通のユーザーといったら失礼かもしれませんが、スマホを使って日々の生活を送るユーザーには必要な十分な機能を有したモデルとして、この2機種を日本に持ってきました。2億画素カメラ、急速充電、有機ELの1.5Kディスプレイを搭載し、一昨年(2022年)のハイエンドモデルとほぼ同じようなスペックが入っています。Redmi Note 13 Pro 5Gに関してはKDDIだけでの販売になりますが、価格は4万1800円と安く、気に入っていただければ単体でご購入することも可能です。そういったことも含めて、広くご検討いただければと考えています。
―― 円安もあってミッドレンジモデルの価格もどんどん上がっている印象ですが、このモデルは安いですね。
安達氏 3年前に発売し、ご評価をいただけた「Mi 11 Lite 5G」という端末がありましたが、あちらは4万3800円でした。結果的にですが、KDDIでの価格も4万1800円で、ほぼ同じです。3年たって機能も全面的に上がった一方で、お値段はほぼ据え置きを実現できました。
Redmi Note 13 Pro+ 5Gに関しては、より高いハイエンド級のスペックが5万9800円で手に入ります。他社が7万円、ないしは8万円の値付けをしている中では、かなり頑張ったと自負しています。エントリースマホで物足りなくなったお子様や、もう少しいろいろなことをスマホでやりたい方がステップアップとして買い替えていただくのに最適な商品です。
―― これだけ物価が上がっている中で、維持できているだけでもすごいですね。
大沼氏 大変です(笑)。ただ、そこは企業努力をしています。もともとXiaomiはハードウェアに5%以下という利益率を設定していますが、開発も含め、いろいろな部署が努力をしています。
安達氏 年間3.6億台というスケールメリットもあり、ここは弊社の強みが出てくるところです。
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