「iOS 18」のパブリックβを試す ホーム画面のカスタマイズ性が大幅に向上、RCSは現時点では非対応か石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2024年07月20日 11時10分 公開
[石野純也ITmedia]

 Appleは、7月17日に、iOS 18など次期OSのパブリックβ版を公開、「ベータアップデート」を有効にしているユーザーへの配信を開始した。パブリックβ版とは、開発途上のOSを一般のユーザーに使ってもらい、修正点などのフィードバックを蓄積するための仕組みだ。正式版の配信に先立ち、最新OSに搭載された機能を利用できるのがユーザーにとってのメリットになる。

 以前は登録などの作業が必要だったパブリックβ版だが、iOS 16.4からは、設定アプリ上でベータアップデートを有効にするだけで、自身の端末にインストール可能になった。その意味では、β版ながら一般のユーザーでも手軽に試すことができる。

iOS 18 iOS 18のパブリックβ版が配信されている。写真は、同OSの機能を使ってカスタマイズしたホーム画面。その使い勝手をチェックした

 気軽な反面、バグなども残っている可能性があるため、メインの端末にインストールするのはお勧めできないが、予備のiPhoneがある人は、一足先にiOS 18の世界を体験してみてもいいだろう。ここでは、配信されたばかりのパブリックβ版をもとに、iOS 18の特徴を紹介していきたい。

カスタマイズ性が一気に高まったiOS 18、操作性にも影響あり

 パブリックβ版の配信が始まったiOS 18だが、残念ながら現時点ではAIを使った「Apple Intelligence」には非対応。仮に利用できたとしても、当初は言語が米国英語のみに限定されるため、日本のユーザーが生かし切ることはできない。文章のトーンを変える機能や、絵文字を生成する「Genmoji」、パーソナルコンテキストを理解するSiriなどは、2025年までお預けになる。

iOS 18 Apple Intelligenceは年内に登場予定。まずは米国英語からのみで、日本語対応は2025年になる

 これを除いたiOS 18の売りは、やはりカスタマイズ性が大きく高まったところにある。ホーム画面のアプリやウィジェットの並び替えが自由になったことだ。iOS 17までは、アプリやウィジェットが自動的に左上から配置されていた。アプリの数によっては、画面の下に隙間ができてしまうことになる。この設計は、初代iPhoneから10年以上踏襲されてきたものだ。

 iOS 18ではこの自動整列がなくなった。ユーザーはアプリのアイコンを下から並べていくこともできれば、壁紙の被写体を避けるように配置することもできる。アプリがズラリと並びすぎていると、必要なものを探し出すのが難しくなるが、この方式であれば、ある程度間隔を空けてアイコンを置くことも可能。1画面に並ぶアイコンを間引きやすくなったのは、操作性の向上にも貢献する。

iOS 18 左上から順番にアイコンが並ぶ自動整列機能が採用されて続けてきたが、iOS 18でそれを撤廃。より自由に配置できるようになった

 「Plus」や「Max」のつく大画面版iPhoneは、特に片手だと画面上部に指が届きにくかった。iOS 16でウィジェットが導入されてからは、“飾り”としてそれを配置しておくことで、頻繁にタッチするアイコンを下部に寄せられたものの、見栄えが変わったり、壁紙が覆われたりしてしまうのが難点だった。自由配置が可能になったことで、この問題がついに解消された格好だ。OSのアップデートではあるが、端末の選好にも変化を与えそうな印象を受けた。

iOS 18 アイコンを画面下部にまとめておけば、大画面のiPhoneでもタッチがしやすくなる

 iOS 18を紹介するサイトなどではほとんど触れられていないが、そのウィジェットを呼び出す方法も簡単になった。同バージョンから、アプリのアイコンとウィジェットがシームレスに切り替わるようになっており、ワンタッチで両方の状態を行き来できる。アイコンを配置した後、もう少し目立たせるためにウィジェットにしたり、逆にウィジェットをアイコンに戻したりといった操作が、より直感的になった。

iOS 18iOS 18 アイコンとウィジェットを、シームレスに切り替えられるようになった

 アプリのセキュリティも強化されており、Face IDなどでロックをかけることも可能になっている。これまでは、サードパーティーアプリが個々にこうした機能を実装していたが、それをOSレベルでサポートした格好だ。プリインストールアプリの中では、「カレンダー」や「メール」「メモ」といったプライバシーに関わるアプリをロックできる。逆に、「時計」や「ショートカット」「マップ」などのアプリは、Face IDに非対応だった。また、アプリ自体を非表示してアプリライブラリーからしか呼び出せないようにすることも可能だ。

iOS 18iOS 18 アプリの起動時にFace IDによる認証を求めることが可能になった。アプリによっては、その存在自体を隠す設定も用意されている
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