ahamoポイ活と違い、eximo ポイ活での還元にdカードが必要になったのは、ユーザーの声を受けてのことだという。ドコモの コンシューマサービスカンパニー マーケティング戦略部 部長 山本明宏氏は、「(ahamoポイ活の)お客さまから、dカードをメインで利用しているので、カード決済にも対応してほしいという声が一定数あった」と明かす。
実際、キャッシュレス決済でも割合が高いのはクレジットカード。「キャッシュレス決済は約4割まで拡大しているが、中でもクレジットカードは8割を超えるなど、いまだに需要が大きい」(同)のが現状だ。還元対象をd払いのようなコード決済に絞ってしまうより、キャッシュレス決済の実態に即した還元方法になっているといえる。
例えば、毎月支払う電気、ガス、水道などの公共料金は、都度決済のための操作が必要ないクレジットカードの方が簡単。ネットショッピングも、コード決済は対応状況にばらつきがあり、必ずしも利用できるとは限らない。逆に、クレジットカードならほぼ確実に対応しているため、利用シーンは広い。「還元対象にdカードを加えることで、より一層ポイント獲得が加速させる」(同)ことができるというわだ。
ドコモにとっては、dカードの取扱高が上がるのがメリットになる。山本氏も、「dカードをサブでお使いの方いる」としながら、「ポイ活プランで、支払いをこちらに寄せていただきたい」と語る。想定しているのは、複数のクレジットカードを併用しているケースで、「他社のカードでお支払いしていたものを、dカードにしていただければ、あらゆる場面でお得を感じていただける」(同)。
dカードの契約者数は、2023年度で1775万に伸びている。このうちdカードGOLDは1065万で、ゴールドカード比率は業界トップクラスの6割にも上る。契約者数は2023年にカード発行枚数で3000万を超えた楽天カードに及ばないものの、大手3キャリアの中では最大規模。「ポイントや特典を多く得られるお得なカードという認知が過半数」(同)といい、ユーザーからの支持も厚い。
ドコモは、2024年10月にdポイントクラブも改定し、“dカードシフト”を強めていく。10月3日から、ランクによるポイント倍率アップ特典が一部下がる一方で、d払いの決済につくポイントが上乗せされる「d払い特典」を新設する。このd払い特典も、dカードやdカードを設定した携帯料金合算払いのみが対象。残高での還元は受けられない。料金プランやポイントプログラムとdカードをより密接にひも付けることで、取扱高を上げていきたい狙いが透けて見える。
ドコモ新料金「eximo ポイ活」が“dカード推し”の理由 dポイントが合計11%たまる仕組みとは
ドコモ、新料金プラン「eximo ポイ活」を8月1日提供 dカード/d払い利用で最大10%還元
「ahamo ポイ活」はドコモにとって“1粒で3度おいしい”プラン 金融+料金プランの競争が激化
ドコモが「dポイントクラブ」を改定する真の狙い “d払い併用”でも損する場合あり
年会費1万1000円でも私が「dカードGOLD」を手放せないワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.