画面比率をはじめとしたXperia 1 VIの“変化”は、同時に「今までのXperiaらしさを失う」という意見がXperia を長期間愛用しているユーザーを中心に多かった。これらの懸念点について、実際に1カ月使ってみて印象は変化しただろうか。
筆者のような今までのXperia 1ユーザーの視点から見ていくと、Xperia 1 VIは画面アスペクト比の変更が実感できる大きな変化だ。当初このサイズ感に筆者もある種の戸惑いを抱いたが、実際に1カ月使ってみると、この横幅は慣れもあって気にならなくなる。
Xperia 1 Vをはじめとした21:9比率の機種を改めて持ってみると「細い」という感想を抱くものの、Xperia 1 VIに対して「横幅が広くて使いにくい」といった場面は感じられなかった。
Xperia 1 VIの画面解像度は従来の4KからフルHD+になった。比較してみるとXperia 1 VIの方がドット感は伺えるものの、実使用においてこの差を感じる場面は少なかった。
むしろ、画面解像度の変更によって画面のピーク輝度向上、LTPO(可変リフレッシュレート)に対応できた。これによって、前述した屋外での視認性向上やバッテリー持ちの向上を果たした。画面解像度の変更によって失ったものよりも、普通にスマートフォンを使う上ではプラスとなる場面の方が多いことを実感した。
筆者も「スマホVR」といった高精細な画面が求められる場面以外で、解像度変更によるマイナスな要素を感じなかった。実用面を考慮したプラスの意味での変化だ。
ソフトウェアの大きな変化として、カメラアプリの操作UIが変更された。これに合わせ、従来までの「Photography Pro」「Videography Pro」「Cinema Pro」の3つに分かれていたカメラアプリが1つに統合された。
従来のアプリ群は撮影用途ごとにアプリを選ぶという使い方では理にかなっていた。一方で、多くのユーザーからすると「動画を撮るのにどのアプリが適切か分からない」といった意見が多かった事も事実だ。
新アプリは使いやすくまとまっていると感じた。従来のアプリは「専用機の操作系」をスマホに落とし込んだ結果、操作項目の並びやキーワードが専門的すぎて一般ユーザーからは「分かりにくい」と評価されていた。
今作では大衆向けのXperia 10シリーズのカメラアプリに近づけ、従来機のユーザー向けにしっかり追い込めるプロモードを残している。多くの方にとって、一般的なスマートフォンと同様“使いやすいカメラアプリ”に仕上がった。
新アプリにて利用できなくなった要素の多くは、Cinema Proの機能やフィルター類だ。注目を集めたクリエイティブルックやS-CinetoneフィルターをはじめとしたPhotography ProやVideography Proに備わってきた機能の多くは今作でも利用できる。
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