ソフトバンクがAndroidスマホの単体販売を終了した理由 「法的に問題ない」背景も考える(2/2 ページ)

» 2024年09月03日 18時33分 公開
[田中聡ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

法令改正後もアグレッシブな割引を敢行するソフトバンク

 ソフトバンクの「新トクするサポート」では、一部のスマートフォンでアグレッシブな割引を実施している。例えば「motorola razr 40s」は1〜24回の支払いを月1円としており、2年後に返却すると実質24円で利用できる。最新の「Pixel 9」でも、128GBモデルは1〜12回の支払いを月3円としており、1年後に返却すると実質36円になる(ただし早トクオプション料として1万9800円が掛かる)。

ソフトバンク ソフトバンクのmotorola razr 40sは2年間実質24円で利用できる

 これらは一見すると4万4000円の割引を超えているように思えるが、ソフトバンクは機種・期間ごとの「買取予想価格一覧」を用意しており、割引額から買取予想価格を引いた金額が4万4000円を超えないように計算している(詳しくはこちらの記事を参照)。

 例えばPixel 9(128GB)の場合、13カ月目に返却すると15万1164円もの金額が免除されるが、13カ月目の買取予想価格は9万1597円なので、その差額は5万9567円。これに早トクオプション料の1万9800円を引くと3万9767円なので、割引額4万4000円以内に収まるというわけだ。ソフトバンクの買取予想価格は一般的な中古市場よりも高額に設定されており、1〜2年で100円を切る価格で利用できるのは、どう考えても他の販路よりお得だ。

ソフトバンク Pixel 9(128GB)で15万円を超える支払い免除を受けられるのは、強気の買取予想価格があるためだ

 現在、こうしたお得なAndroidスマートフォンはソフトバンクユーザーしか購入できない。サブブランドのY!mobileやLINEMOのユーザーが購入できないのは残念だが、単体販売という足かせが外れた今、3ブランドの中でソフトバンクしか取り扱っていないスマートフォンの特典を強化することでブランド価値を高め、Y!mobileやLINEMOからソフトバンクへの移行を促す狙いもあるだろう。

 さて、気になるのはiPhoneの施策だ。現在のところ、iPhoneは単体で購入可能だが、9月10日の発表が予想される「iPhone 16(仮)」も単体購入は可能になるのだろうか。そしてPixel 9(128GB)のような攻めた割引はあるのか。ソフトバンクの端末施策は“サイレントアップデート”が多いため、オンラインショップや製品ページをまめにチェックしておいた方がよさそうだ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月06日 更新
  1. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  2. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 「健康保険証で良いじゃないですか」──政治家ポストにマイナ保険証派が“猛反論”した理由 (2025年12月06日)
  5. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  6. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  7. ドコモが「dアカウント」のパスワードレス認証を「パスキー」に統一 2026年5月めどに (2025年12月05日)
  8. ドコモも一本化する認証方式「パスキー」 証券口座乗っ取りで普及加速も、混乱するユーザー体験を統一できるか (2025年12月06日)
  9. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  10. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー