Pixel 9 Pro Foldは「ほとんどのタブレットよりも薄い」 Googleが明かす開発時の苦労

» 2024年09月05日 14時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 新型折りたたみスマートフォン「Google Pixel 9 Pro Fold」は、先代「Google Pixel Fold」の単なるアップデートにとどまらない――Google Pixelのチームは、ディスプレイやカメラなどをアップグレードしながら、どのように薄型のボディーを実現したのかなど、開発時のストーリーをブログで紹介した。

Pixel9ProFold 折りたたみスマートフォン フォルダブル ヒンジ 「Google Pixel 9 Pro Fold」
Pixel9ProFold 折りたたみスマートフォン フォルダブル ヒンジ Google PixelのチームによるPixel 9 Pro Foldの開発ストーリー

まずは1画面のスマホとして優れていることが重要だった

 チームが最初に目を付けたのは、Pixel Foldの使い方だという。工業デザインディレクターのクロード・ゼルウェガー氏は、「人々がPixel Foldを折りたたんだ状態で使用することが多いことに気づきました」と明かし、フォルタブル端末がスマートフォンでもあることに着目したという。

Pixel9ProFold 折りたたみスマートフォン フォルダブル ヒンジ Pixel 9 Pro Foldのデザイン画

 「まず優れたスマホを作り、その後で優れた折りたたみ式に仕上げるのです」と、Pixelのプロダクトマネージャーであるジョン・プラウズ氏は話す。最新世代であるストレートタイプのスマートフォン「Pixel 9」シリーズに近い使用感にすべく、Pixel 9 Pro Foldのカバーディスプレイのアスペクト比は、Pixel 9 Proと同じ20:9となっている。

Pixel9ProFold 折りたたみスマートフォン フォルダブル ヒンジ Pixel 9 Pro(写真=右)と同じ20:9のアスペクト比を採用したPixel 9 Pro Foldのカバーディスプレイ(写真=左)

「パタン」と閉じる音にまでこだわる

 Pixel 9 Pro Foldで注目すべきポイントはこれだけではない。横開きのフォルダブルスマホとして、国内最薄の10.5mm(閉じた状態)を実現している。折りたたんだ状態では、Pixel 9 Pro FoldはPixel Foldより1.5mm薄く、Pixel 9シリーズのスマートフォンよりもわずか2mm厚い。開いた状態では、厚さ5.1mmで、Pixel Foldから0.7mm薄くなり、「ほとんどのタブレットよりも薄い」という。

 「2代目を作るときは、より薄くしなければならないことはわかっていましたが、どれだけ薄くできるのか、また、そのために何をしなければならないのかは分かりませんでした」とPixelのプロダクトマネージャーであるジョージ・ファン氏はいう。

Pixel9ProFold 折りたたみスマートフォン フォルダブル ヒンジ Pixel Fold(写真=右)より1.5mm薄くなったPixel 9 Pro Fold(写真=左)。どちらも折りたたんだ状態
Pixel9ProFold 折りたたみスマートフォン フォルダブル ヒンジ Pixel 9 Pro Fold(写真=左)とPixel 9 Pro(写真=右)
Pixel9ProFold 折りたたみスマートフォン フォルダブル ヒンジ Pixel 9 Pro Fold(写真=左)と「Google Pixel Tablet」(写真=右)

 そこで、チームは「新しいヒンジ」を用いて、薄型化することにした。アルミ合金で覆われた多合金鋼の新しいヒンジを設計することで、完全にフラットに開き、閉じるときには満足感のある音を立てるそうだ。実機で確かめてみると、まるで高級外車のドアを閉めるときのような音がした。細かいこだわりポイントではあるが、競合製品に相当する「Galaxy Z Fold」シリーズにはない。

 この新しいヒンジは、耐久性が向上しているだけでなく、「Pixel Foldで好評だった動作範囲における感触を模倣しています」とジョージ氏は続ける。ユーザーが開閉時に「心地よい」と感じられるよう、磁石を使用しているという。

薄型ボディーにカメラを搭載することは容易ではなかった

 チームは、ボディーの薄型化やヒンジの耐久性向上に成功した一方で、「薄型化した高性能なカメラを搭載するのは容易ではありませんでした」と苦労を明かす。カメラに関する技術は、多くのスペースを必要とするため、「このデザインを考える中で、非常に薄くするためにカメラバーを完全に再設計し、カスタマイズされた光学モジュールを組み込むことを選びました」とジョン氏は語る。

 比較レビューの記事でもお伝えしたように、Pixel 9 Pro Foldのアウトカメラは、Pixel Foldから大きな進化を遂げた。スペック比較表だけを見ると、大きな差はない、と感じたが、とり比べてみると、より遠くまで夜景を鮮明に撮影できるすごさに驚かされた。

 チームは最終的に、広角カメラと2つのセルフィーカメラをアップグレードし、それらを新しい光学モジュールに収めることに成功した。Pixel 9 Pro Foldは、「Video Boost」や「Pro Controls」など、プロフェッショナル向けのカメラツールも搭載している。このモデルを手にした方には、特にアウトカメラでの撮影を試していただきたい。薄いボディーでありながら、美しい写真が撮れる、その実力を実感できるだろう。

 ちなみに、アウトカメラは各カメラレンズの配置にも工夫が凝らされている。Pixel Foldは長方形のバーに3つのカメラレンズが納まるのに対し、Pixel 9 Pro Foldでは1つの四角いバンプ(台座)に集約されている。バッテリーの容量はPixel Foldの4821mAhから4650mAhと少なくなっているが、アウトカメラのレイアウトの変更により、薄型のボディーに大容量のバッテリーを搭載できたそうだ。

Pixel9ProFold 折りたたみスマートフォン フォルダブル ヒンジ アウトカメラのレイアウトが異なるPixel 9 Pro Fold(写真=左)とPixel Fold(写真=右)

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