“普通じゃない”スマホ「razr 50」でモトローラが打ち出す戦略 ソフトバンクは1年36円、対iPhoneにも自信(2/3 ページ)

» 2024年09月19日 12時21分 公開
[田中聡ITmedia]
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ソフトバンク向けrazr 50sは1年間36円、パートナーシップを継続

 razr 50のMOTO STOREでの価格は13万5800円(税込み)。razr 40の12万5800円からは値上がっているが、スペックが向上していることと昨今の円安状況を考えれば妥当なところか。一方、ソフトバンクのrazr 50sは一括11万5200円。razr 50はメモリ/ストレージが12GB/512GBだが、razr50sは8GB/256GBとしており、その分価格を安くしている。

 また、ソフトバンクはrazr 40sで2年間実質24円という攻めた価格を打ち出していたが、その姿勢はrazr 50sでも継続している。razr 50sでは「新トクするサポート(プレミアム)」を適用すると、1〜12回の支払いは月3円に抑えられているので、1年間は総額36円で運用できる。

motorola razr 50 モトローラ公式オンラインストアでの価格は13万5800円
motorola razr 50 ソフトバンクのrazr 50sは一括11万5200円で、1〜12回の支払いは月3円としている

 ソフトバンクがここまでアグレッシブな施策を打ち出すのは、日本で折りたたみスマホを普及させたいという思いがあるため。ソフトバンクでは2021年3月に発売した「motorola razr 50」を皮切りに、これまで5機種のモトローラ端末をソフトバンクとY!mobileで扱ってきた。razrに関しては「価格が高い、壊れやすいという声があったので、先代(razr 40s)は10万円を切る価格を実現し、iCrackedで即日修理にも対応した」と、ソフトバンク 執行役員 モバイル事業推進本部 本部長の郷司雅通氏は話す。

motorola razr 50 razr 40sの調査をもとに、価格を抑え、即日修理にも対応した。このスタンスはrazr 50sでも継続している

 その結果、2024年1月〜6月のフリップタイプスマートフォンの販売シェアはソフトバンクが1位を獲得。ただ、「この結果はまだ道半ば」と郷司氏。日本の折りたたみスマートフォンのシェアは、米国に比べて4分の1というデータがある。折りたたみスマホでは「日本はブルーオーシャン」(同氏)なので、ソフトバンクとしてもrazr 50を精力的に訴求していく。「ソフトバンクショップではrazr 50sの専用什器(じゅうき)を展開し、来店者限定キャンペーンも行う」(同氏)

motorola razr 50 フリップタイプのスマートフォンではソフトバンクがシェア1位となった
motorola razr 50 折りたたみスマートフォンのシェアは米国の約4分の1にとどまっている

 郷司氏は、今後もモトローラとのパートナーシップを継続し、日本市場で驚きのある端末を展開することを宣言した。

ブランド認知向上に向けて目黒蓮さんを起用

 9月17日に開催した発表会で、モトローラ・モビリティ・ジャパンの仲田正一社長は、日本市場で同社のスマートフォンビジネスが大きく成長していることを述べる。2023年度の出荷台数は前年比で135%増加し、オープン市場で3位のシェアを獲得。モトローラの検索件数も55%増加しているという。

motorola razr 50 日本市場で出荷台数やシェアが順調に拡大している

 アウトディスプレイの使い勝手が増したrazr 50については「普通ではない体験を提供できる革新的な製品」と胸を張る。中でも重視するのが「パートナーシップ」と「ブランド認知向上」だ。

motorola razr 50 ソフトバンクとのパートナーシップを継続し、近年の日本では初めてタレントを起用してマーケティング強化を図る

 パートナーシップは、先述の通りソフトバンクとの提携が大きな柱になっている。razr 50sは国内MNOではソフトバンクが独占販売するが、海外では上位モデルの「motorola razr 50 ultra」も販売されている。こちらの日本投入も気になるところだが、仲田氏は「今この時点で商品化について話せることはない。razr 50が最後の商品ではなく、今後も出すことは計画している」と含みを持たせた。ultraの投入や取り扱いキャリアの拡大も期待したいところだ。

 ブランド認知向上については、若年層の認知拡大を図るべく、目黒蓮さんをブランドアンバサダーに起用する。テレビCMも展開し、razr 50の分身であるアバターの「ミニREN」と目黒さんが共演する。ブランドの認知向上だけでなく、アバターを登場させることで、「24時間365日寄り添う最高の相棒になるように」(モトローラ・モビリティ・ジャパン マーケティング部長 清水幹氏)という思いを込めた。

 このアバターをフックに、ソフトバンクショップへの集客を狙った施策も行う。ソフトバンクショップに設置しているQRコードからアクセスできる「AIBOU MAKER」で自分のアバターを作成できる。これを9月17日から10月16日まで指定のハッシュタグを付けてSNSに投稿すると、抽選でモトローラのプロモーション映像に出演できる。

motorola razr 50 発表会では目黒蓮さんが登壇し、アバターの「ミニREN」との共演を見せた
motorola razr 50 ミニRENはさまざまなメディアや店頭で登場し、razr 50(razr 50s)がよき相棒になることを訴求する
motorola razr 50 「AIBOU MAKER」で作成したアバターがモトローラのCMに出演できるチャンスのあるキャンペーンも実施

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