日本Xrealは12月11日、新型スマートグラス「XREAL One」を発表した。4日にグローバル向けに発表したが、わずか7日後に日本での発表にこぎつけ、2025年1月中旬以降に発売する。映像表示の遅延が少なくなり、グラス単体で実行できることが増えるなど、従来モデルを持つ筆者としては激変ぶりに驚いた。
価格はグラス単体が6万9980円(税込み、以下同)で、スマートフォンを充電しながらグラスへの映像出力を行う「XREAL Hub」とのセットが7万2960円だ。12月11日、メタバースなどがテーマの国内最大級カンファレンス「XR Kaigi」に、日本Xrealの高天夫プロダクトマネージャーが登壇し、XREAL Oneの特徴を説明した。
XREAL OneはXREAL初の独自プロセッサ「X1」を搭載したスマートグラスだ。プロセッサを搭載しない「XREAL Air 2」「XREAL Air 2 Pro」などの従来モデルは、グラス内部のIMUセンサーで検出した加速度や傾きの情報が映像に反映させるまでの処理を、スマートフォンや「XREAL Beam Pro」というコントロールデバイスのプロセッサに頼っていた。
高氏いわく、「2年半かけて開発されたX1」により、この処理をグラス単体で行えるようになった。「一般的なスマートグラスは頭を動かしてから映像に反映されるまでの時間が15〜20ms程度だが、XREAL Oneでは3msにまで短縮できた」と高氏は話す。
スマートフォンやPCを必要とせず、目の前に表示する画面を固定させるか、頭の動きに追従させるかの選択もグラス単体で行える。新設されたオレンジ色のボタンを1回押せば、画面の固定か追従かを選べ、視線の先とは違う別のスペースに画面を固定させるには、視線を移して1点を見つめたままオレンジ色のボタンを長押しすればいい。
色温度のカスタマイズも単体で行え、青色を少なくし目への負担を軽減できる。画面のサイズや配置箇所から目までの距離の調整、3D表示のオン/オフ切り替え、32:9のワイドスクリーン表示も、グラス単体で行えるようになった。
これらの処理を行うには、グラスではなく「ソフトウェアに頼ったり、(プロセッサで)計算したりしなければならなかった」(高氏)が、X1により従来モデルの欠点を解消した格好だ。なお、X1は「AIの処理を行うNPU(Neural Processing Unit)や、画像処理を担うISP(Imaging Signal Processor)も含んだ」(高氏)プロセッサでもあり、これらを生かしたコンテンツにも期待したい。
このように、グラス単体でできることは多くなったが、「利用できるデバイスが多くなった」と誤解をしてはいけない。XREAL Oneも従来モデル同様、映像出力元のデバイスがDisplayPort Altモードという映像出力機能に対応していることが前提だ。
例えば、iPhoneなら「iPhone 15」「iPhone 16」シリーズの各モデル、Google Pixelなら「Pixel 8」「Pixel 8a」「Pixel 8 Pro」以降のモデルが、USB TypeCケーブル1本でスマートフォンの画面をXREAL Oneに出力できる。なお、Pixelは2024年6月のアップデートで映像出力に対応した。Pixelではケーブル接続直後、ディスプレイにミラーリングを行うかを問うポップアップが表示される。すぐ下の「ミラーリングを開始」をタップすれば映像出力できる。
USB Type-CケーブルでXREAL Oneと「Pixel 9 Pro XL」を接続。PixelシリーズでDisplayPort Altモードに対応するモデルは、ケーブル接続直後に映像出力をするかどうか問われるので、「ミラーリングを開始」をタップすればいい
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