2024年のフラグシップスマホの例にもれず、AQUOS R9 proも最新のAI機能を搭載している。画面上の対象物を囲むだけで検索できる「かこって検索」は、商品やランドマークの特定に便利だ。
また、電源キーの長押しでGoogle Geminiにアクセスでき、画像を含む複雑な質問にも対応できる。これらのGoogle提供のAI機能は、日常的な情報収集やクリエイティブな作業をサポートしてくれる。
その中で、シャープ独自の機能である電話アシスタントは、特に実用性が高い。留守番電話の内容をAIが要約してくれるため、用件を素早く把握できる。
さらに、通話中の会話からキーワードを自動抽出してメモ化する機能も搭載。商談や約束事の記録に便利で、通話後にメモを見返すことで重要な情報を見逃さない。オンデバイスAIを活用しているため、プライバシーにも配慮されている。
シャープの看板機能である「エモパー」は、のんびりと時間や天気を教えてくれる。Googleカレンダーと連携しており、予定が近づくと声でお知らせしてくれるほか、旅行や出張の予定があれば目的地の天気予報も教えてくれる。「深呼吸してリラックスしましょう」と試験前に声をかけてくれるなど、独特の愛嬌も健在だ。
しかし、生成AIが急速に進化している現状を踏まえると、エモパーの進化はもっと進むはずだ。より高度な対話や実用的な提案ができるようになると機体したい。例えば、カレンダー上の会議予定から関連資料を自動で探してくれたり、健康管理データと連携して生活習慣の改善を提案したりといった、より積極的なアシスタント機能があれば、日常生活での活用の幅が広がるだろう。2025年以降のアップデートでの進化に期待したい。
AQUOS R9 proは、明確な狙いを持って開発されたスーパーフラグシップモデルだ。多くのユーザーにとって、パフォーマンスとデザイン、価格のバランスが取れたAQUOS R9で十分な性能を得られるだろう。
実際、229gという重量や重心バランスは、R9と比較して日常的な使用感では劣る面もある。しかし、このスマートフォンが真価を発揮するのは、カメラを積極的に活用したいユーザーの手に渡ったときだ。物理シャッターキーやレンズフィルター対応など、カメラとしての使い勝手を徹底的に追求している。
大型の6.7型ディスプレイと強化された音響性能は、撮影した写真や動画の確認作業でも優れた体験を提供する。
同じくライカとのコラボレーションモデルであるXiaomi 14 Ultraという選択肢も存在するが、AQUOS R9 proはより日本市場に最適化されている。おサイフケータイへの対応や、ドコモ網の5G周波数帯への最適化など、グローバルモデルでは省略されがちな機能を確実に実装している点は、実用面での大きなアドバンテージとなる。
税込み19万円台前半という価格設定は決して安くないが、カメラ機能を重視し、アクティブに活用したいユーザーにとっては、その投資に見合う価値を提供できるモデルといえるだろう。
(製品協力:シャープ)
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