ディスプレイは6.7型へと大型化し、解像度もQuad HD+(1440×3120ピクセル)まで高精細化している。輝度はHDR視聴時に最大1000ニトまで到達し、晴天下でも視認性は申し分ない。
NetflixでいくつかのDolby Vision対応コンテンツを視聴してみたが、暗部から明部までの階調表現が特に優れていると感じた。暗いシーンでの細かなディテールまでしっかりと表現できており、映画やドラマの視聴体験は格段に向上している。
音響では、上部スピーカーBOXのフルメタル化による効果が際立つ。従来機種と比べて低音の厚みが増し、映像視聴時の立体感が向上している。「地面師たち」のような重厚な劇伴音楽が特徴的なドラマでは、低音の響きと空気感の違いが顕著に感じられた。大画面と相まって、スマートフォンとは思えないシアター体験を提供してくれる。
プロセッサはAQUOS R9より一段階上のSnapdragon 8s Gen 3を搭載。12GBの潤沢なメインメモリに加え、内部ストレージも512GBへと倍増することで、高画質な写真や4K動画の撮影にも余裕で対応できる環境を整えた。
ただし、R9で搭載されていたmicroSDスロットは廃止されている。512GBという大容量ストレージの採用は、この変更を補う意図があるのだろう。
ベンチマークテストでの性能を見てみよう。Geekbench 6ではシングルコア性能が1954点、マルチコア性能が4884点を記録した。これはSnapdragon 8 Gen 2搭載のGalaxy S23シリーズと同等以上のスコアだ。
3DMarkのWild Life Extremeテストでは2996点(平均17.94FPS)という結果を示した。最新のSamsung Galaxy S24シリーズと比べると若干の差はあるものの、実用的なパフォーマンスは十分に確保できている。
生体認証は、従来のproシリーズ同様にQualcommの3D超音波式指紋センサーを採用している。20×30mmという広めの認識範囲と高速な認証が特徴のセンサーだが、初期設定では認証に失敗するケースが散見された。
ただし、何度か指紋を再登録することで正常に動作するようになり、その後は快適に利用できている。認証精度に不安を感じた場合は、指紋の再登録を試してみることをお勧めする。
「Payトリガー」と呼ばれる機能も搭載されており、指紋センサーを長押しすることで決済アプリなど任意のアプリを起動できる。起動までに若干の待機時間は必要だが、会計時にすぐアプリを呼び出せるのは便利だ。
日常的な使い勝手を向上させる工夫も見られる。例えば「テザリングオート」は、位置情報に基づいてテザリングのオン・オフを自動制御する機能だ。自宅や職場ではオフ、外出先では自動的にオンにするといった設定が可能で、ノートPCを持ち歩く際の通信環境をより手軽に整えられる。
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