ZTEやLiberoと聞いても、一般のユーザーはあまりピンとこないかもしれないが、こうしたコストパフォーマンスが評価され、販売は好調だったという。ソフトバンクのLINE & Y!mobile事業推進本部 本部長を務める有馬英介氏は、「最初は苦労することもあったが、今ではY!mobileの主力メーカーとして販売が右肩上がりに伸びている」と語る。
実際、2万2000円以下の端末に絞ると、nubia S 5Gの先代モデルにあたる「Libero 5G IV」はトップシェアを獲得しており、ユーザーから選ばれていることが分かる。有馬氏も、「コストパフォーマンスのよさは、マーケットも評価されている」と話す。格安なエントリーモデルだけでなく、フリップ型スマホのLibero Flip 5Gも同様に販売は好調だった。
調査会社MM総研によると、ZTEは2023年度におけるフォルダブルスマホの出荷台数でシェア2位を獲得。同調査の集計期間の中で、Libero Flipが販売されていたのは約1カ月しかなかったが、それでも3位のモトローラを抜き去り、1位のサムスン電子に肉薄することができた。ZTEジャパンの副社長でモバイルターミナル事業最高責任者を務める黄凱華氏は、「2号機をいち早く投入し、フリップ型のマーケットシェアを伸ばしていき、なおかつトレンドをけん引していきたい」と意気込む。
一方で、その知名度の低さには大きな課題があった。ソフトバンクの有馬氏によると、Liberoのブランド認知度は主要メーカーの中で断トツの最下位だったといい、アンケート調査ではわずか13%しか知られていないことが分かった。名称や具体的な数値は隠しているものの、恐らくiPhoneやGalaxy、Xperia、AQUOSなどは7割から8割近い認知率が取れており、ここには大きな開きがあった。
ありていに言えば、ブランドを信頼した指名買いではなく、安いから取りあえず買っておく(もらっておく)スマホブランドになっていたということだ。エントリーモデルだけでシェアを稼ぐならそれでもいいかもしれないが、やや価格が上のフォルダブルスマホを販売していく上で、この状態は少々厳しい。このタイミングで端末名をnubiaに変更したのは、ゼロからブランドを再構築していった方がいいという判断が働いたことがうかがえる。
ZTEもブランド力のなさが課題と感じていたため、nubia Flip 2の投入に合わせ、テレビCMなどの広告展開を強化する。俳優の山崎賢人さんを起用し、「異色な存在感を放つスマホ」として同モデルを幅広いユーザー層にアピールしてく方針だ。
nubiaブランドの端末は2024年から投入しており、Libero FlipやLibero 5G IVのオープンマーケット版は「nubia Flip 5G」や「nubia ivy」という名称だったが、このブランドをキャリア版にも拡大。「昨年は準備期間で、本日はマイルストーン」(黄氏)というように、25年からブランド認知の向上に本格的に取り組む構えだ。
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