今回の実証では、「ハンバーガー店のドライブスルーを利用する」というデモが行われた。スマートフォン内と連携し、車載ディスプレイからハンバーガー店のアプリを開いてメニューを選択して注文。決済もアプリに登録されているクレジットカードなどの決済情報を利用する。
これに加えて、まず衛星の測位情報を使った「車の位置情報」「UWBによる詳細な位置情報」「車両ナンバー情報」の3点を利用するという通知が表示され、それに同意する、という手順が用意されているのが、今回の実証の鍵となる。
これら3点の情報は店舗側に送信される。店舗側は、衛星の測位情報で大まかに車両が接近していることを把握して調理を開始。UWBによって該当する車両がドライブスルー受け渡しカウンターに近づいたことが分かるので、車両ナンバーを確認して、そのまま運転者に手渡しをする。
既に決済方法も事前に設定しているので、受け渡し後に決済が行われ、車両側でもそれを確認すればオーダーが完了する。この場合、あらかじめ注文が完了しており、来店に合わせて調理が行われるため待ち時間がなく、できたてを受け取れるなどのメリットがある。店内で食事をする場合も、座席の予約も行えば、到着してすぐに席に通されて、そのまま料理が提供される、といった体験も実現できる。
もう1つのデモはガソリンスタンドで、UWBを使ってガソリンスタンドへの入店を確認すると、車載ディスプレイ上にガソリンスタンドアプリが表示される。ここでも運転者のスマートフォンと連携して本人を確認し、クルマウォレット内に保管された給油あと払い券、UWBによる詳細な位置情報、車両ナンバーの3点を提供するかどうかの同意が求められる。
同意をすると、作業内容(ガソリンのレギュラーを満タン給油)、決済方法(給油あと払い券)を確認。車内のごみ捨てや窓ガラスの拭き上げなど、無料のオプションサービスを選択することもできる。後は確定すると、それが店舗側に通知される。
作業内容を選ぶ。今回はレンタカーで満タン返しをする必要があり、レンタカー代とともに精算するという設定のため、給油あと払い券を使っているが、通常の給油ならここで自分のクレジットカードを設定する、といったこともできる店舗側は、詳細な位置情報でどの車から来たオーダーなのかを確認。ナンバープレートも確認して、指定の作業を行う。終了後、車載ディスプレイに通知が表示されるので、料金を確認したら、そのまま出発できる。この場合も、ガソリンスタンドの店員とコミュニケーションすることなく、支払いまでそのまま終了できる。
今回の実証には含まれていないが、レンタカーの返却操作をすると、デジタルキーが無効化されて返却が完了する、というフローも想定されている。
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