XR事業については、ドコモのXR事業を担当するNTTコノキュー 代表取締役社長の丸山誠治氏に話を聞いた。
―― 今回出展した新しいデバイスについて詳しく聞かせてください。
丸山氏 当社が昨年発売した「MiRZA」の2号機を発表させていただきました。最大の特徴は軽さで約60g程度(1号機は約125g)。普段かけている眼鏡と同じように常時かけていただく想定です。ディスプレイはカラーで片方(右目)だけに搭載し、スマホを取り出すことなく、いろいろな情報が見られる仕組みです。
―― 操作はスマートフォンで行うのでしょうか?
丸山氏 スマートフォンと無線で接続して操作する仕組みですが、今回はBluetoothのみを使います(1号機はWi-Fiも利用)。それによって軽量化を図ることができ、消費電力を減らせました。1号機は対応機種が限定的でしたが、2号機は多くの機種が対応する見通しです。Androidだけでなく、iOSにも対応させたいと思っています。
―― マイク、スピーカー、カメラなどは搭載していますか?
丸山氏 マイクとスピーカーは搭載していますが、カメラは搭載していません。カメラを搭載して、撮影した動画をアップロードするには、どうしてもWi-Fiが必要になります。今回はあえてカメラをなくし、コストや電池持ちを優先しました。
―― 具体的にはどのような用途を想定していますか?
丸山氏 地図を表示させてナビゲーションを利用することや、AIアシスタントとして使うことなども想定しています。スマホを取り出すことなく、知りたい情報にアクセスできるというイメージです。
―― 1号機の連続使用時間は1〜1.5時間と短めでしたが、2号機のバッテリーはどれくらい持つのでしょうか?
丸山氏 普段活動している時間は持つくらいのレベルを目指しています。スマートフォンの出始めの頃は、朝フル充電して、何とか1日持つという感じだったかと思いますが、まずは、そのレベルにはしたいと思っています。
―― 「MiRZA」の反響はいかがだったのでしょうか?
丸山氏 だいたい想定通りです。産業向けなので、いろいろなソリューションベンダーさんと一緒にソフトウェアを開発するなど時間はかかるのですが、その過程でいろいろなご意見もいただき、製品のアップデートにも役立っています。
―― 海外の事業者やベンダーからの反響はいかがですか?
丸山氏 今回は1号機を体験してもらう場も設けたので、多くの方に関心を持っていただいています。南米のプレスの方から「ぜひ出してほしい」とも言っていただきました。
―― アメリカでは「Ray-Ban Meta」(サングラス型のスマートグラス。日本未発売)が売れているようです。
丸山氏 われわれが作るものとは全くタイプが違いますが(Ray-Ban Metaはディスプレイ非搭載)、形状としては同じですよね。あちらはサングラスをかける人が多いですが、日本ではそんなに多くはない。われわれは、眼鏡で新しい世界を提案していきたいです。
なお、2号機の製品名が「MiRZA」になるかどうかは未定。2025年の夏頃に発売予定で、価格は500ドル(約7万5000円)程度になる見通し。1号機(24万4800円)よりもかなり安く、コンシューマー向けの普及モデルとして期待できそうだ。
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