ドコモの空飛ぶ基地局「HAPS」は2026年に間に合う?/スマートグラス2号機は軽さと電池持ちを改善 キーパーソンに聞く(2/2 ページ)

» 2025年03月25日 10時42分 公開
[村元正剛ITmedia]
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スマートグラス2号機は軽量化を図り、消費電力も改善する

 XR事業については、ドコモのXR事業を担当するNTTコノキュー 代表取締役社長の丸山誠治氏に話を聞いた。

丸山誠治 NTTコノキュー 代表取締役社長 丸山誠治氏

―― 今回出展した新しいデバイスについて詳しく聞かせてください。

丸山氏 当社が昨年発売した「MiRZA」の2号機を発表させていただきました。最大の特徴は軽さで約60g程度(1号機は約125g)。普段かけている眼鏡と同じように常時かけていただく想定です。ディスプレイはカラーで片方(右目)だけに搭載し、スマホを取り出すことなく、いろいろな情報が見られる仕組みです。

スマートグラス MWCに出展されたスマートグラスの試作機。5種類のカラバリが展示されていた
スマートグラス 丸山氏に実際にかけていただいた。大きめの標準的な眼鏡に見えるサイズ感だ

―― 操作はスマートフォンで行うのでしょうか?

丸山氏 スマートフォンと無線で接続して操作する仕組みですが、今回はBluetoothのみを使います(1号機はWi-Fiも利用)。それによって軽量化を図ることができ、消費電力を減らせました。1号機は対応機種が限定的でしたが、2号機は多くの機種が対応する見通しです。Androidだけでなく、iOSにも対応させたいと思っています。

―― マイク、スピーカー、カメラなどは搭載していますか?

丸山氏 マイクとスピーカーは搭載していますが、カメラは搭載していません。カメラを搭載して、撮影した動画をアップロードするには、どうしてもWi-Fiが必要になります。今回はあえてカメラをなくし、コストや電池持ちを優先しました。

―― 具体的にはどのような用途を想定していますか?

丸山氏 地図を表示させてナビゲーションを利用することや、AIアシスタントとして使うことなども想定しています。スマホを取り出すことなく、知りたい情報にアクセスできるというイメージです。

スマートグラス ナビゲーション、通訳、通知、AIエージェントなどの用途が想定されている

―― 1号機の連続使用時間は1〜1.5時間と短めでしたが、2号機のバッテリーはどれくらい持つのでしょうか?

丸山氏 普段活動している時間は持つくらいのレベルを目指しています。スマートフォンの出始めの頃は、朝フル充電して、何とか1日持つという感じだったかと思いますが、まずは、そのレベルにはしたいと思っています。

スマートグラス テンプル(つる)はやや太めで、そこにバッテリーを搭載。USB Type-Cケーブルで充電できる

―― 「MiRZA」の反響はいかがだったのでしょうか?

丸山氏 だいたい想定通りです。産業向けなので、いろいろなソリューションベンダーさんと一緒にソフトウェアを開発するなど時間はかかるのですが、その過程でいろいろなご意見もいただき、製品のアップデートにも役立っています。

―― 海外の事業者やベンダーからの反響はいかがですか?

丸山氏 今回は1号機を体験してもらう場も設けたので、多くの方に関心を持っていただいています。南米のプレスの方から「ぜひ出してほしい」とも言っていただきました。

―― アメリカでは「Ray-Ban Meta」(サングラス型のスマートグラス。日本未発売)が売れているようです。

丸山氏 われわれが作るものとは全くタイプが違いますが(Ray-Ban Metaはディスプレイ非搭載)、形状としては同じですよね。あちらはサングラスをかける人が多いですが、日本ではそんなに多くはない。われわれは、眼鏡で新しい世界を提案していきたいです。

2号機は2025年夏頃に発売予定

 なお、2号機の製品名が「MiRZA」になるかどうかは未定。2025年の夏頃に発売予定で、価格は500ドル(約7万5000円)程度になる見通し。1号機(24万4800円)よりもかなり安く、コンシューマー向けの普及モデルとして期待できそうだ。

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