アシュラント・ジャパンが3月27日に記者説明会を開催した。
同社は家電や車両機器の保証、住宅向け保険などのサービスをグローバルで展開している。モバイル端末のサポートや下取りなども手がけており、アメリカではAT&Tやベライゾン、T-Mobileの下取りプログラムなどを提供しているという。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年4月5日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
日本でもキャリアやメーカー、家電量販店などから下取りを行い、整備した後、キャリアに対して認定中古スマートフォン(CPO)として卸している。
世界8カ所にデバイスケアセンターを持ち、20以上の市場で事業を展開。年間で最大2000万台の端末を処理し、整備した端末の価値は1年で40億ドル相当になるという。アメリカ・テネシー州ナッシュビルには2万4000平方メートルの敷地面積を持つ最新のデバイスセンターがあり、日本にも埼玉県三郷市にセンターがあるようだ。
下取りされたスマートフォンはグローバルで流通していく。
特に日本市場は昔から、下取りされた端末の「輸出国」としての意味合いを持つ。
アシュラントのプレジデントであるビジュ・ナイア氏は「日本では中古スマートフォンの利用率が6〜7%程度しかない。日本で回収した端末は状態がとても良く、海外の中古市場で高い評価を得ているため、下取りされた多くの端末が海外市場に流れている」と指摘する。
今回、アシュラント・ジャパンが記者説明会を開いたのは、日本市場でまだまだ中古端末市場の伸びしろが充分にあると感じているからだという。
実際、総務省の愚策により端末の割引が厳しくなり、気軽に買い換えられる状態では無くなっている。そんななか、総務省では中古端末市場の活性化に注力しているが、まだまだ一般的だとは言いがたい。
ただ、キャリアとしても、最近ではCPO品を積極的に扱うなど、中古市場に注力しつつある。やはり、キャリアとしては、抱えているユーザーが安価なスマホを求めて他社に逃げてしまっては困る。自分たちの経済圏に囲っておきたいため、高額な新品スマホが売れないのであれば「中古端末をどうぞ」というわけだ。
一方で、ナイア氏によれば、ここ数年はスマートフォンの進化が乏しく、同じ機種を使い続ける傾向が続いていたが、アメリカでは「Galaxy S24」や「iPhone 16 Pro」など生成AIが使えるスマートフォンが売り出されたことで、進化を感じての機種変更が増えているという。買い換えが促進されれば、古い機種が下取りに出され、結果、中古市場が活性化していく。
果たして、日本市場は、いままでのように中古市場は限定的で、下取りされた端末が海外に転売される状況が続くのか。それとも、キャリアでのCPO品により、中古端末を買う人が増えるのか。
円安基調が続く中、日本の中古端末市場が成長していくのか、見守っていきたい。
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