ドコモが料金プランを刷新したワケ “優良顧客”重視にシフトも、サブブランド競争では不安も石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2025年04月26日 11時27分 公開
[石野純也ITmedia]

付加価値を盛り込み最上プランを差別化、ahamoはシンプルさを売りに

 ドコモの代表取締役副社長でコンシューマサービスカンパニー長を務める齋藤武氏は、「データ容量に応じたさまざまなプランを提供してきたが、一方でニーズは多様化している」と語る。こうしたニーズに応えるため、「興味関心やさまざまなバリューを盛り込んだプランに一新する」というわけだ。斎藤氏は「価値を入れ込んだ料金プランにして、価値を選んでいただく。そういうコンセプトで変えていこうというのが、一番大きな狙い」と話す。

ドコモ データ容量と金額だけでなく、価値を入れ込むのが狙いだったと話すドコモの齋藤氏

 単純なデータ容量と金額のバランスだけではなく、コンテンツなりサービスなりをバンドルしていくという考え方は新しいものではないが、月額料金が高額なDAZNをセットにしてきたところはインパクトが大きい。また、「若い世代の人は、約9割が何らかの形でスポーツを観戦、視聴している」(同)といい、幅広いユーザーに訴求できる可能性もある。ドコモが新規事業として、競技場やアリーナの運営や興行に乗り出していることで相乗効果も狙いやすい。

ドコモ ドコモは愛知県のIGアリーナや、東京都の国立競技場の運営に乗り出しており、こことも連携を図りやすい

 ただ、DAZNのようなスポーツコンテンツに興味がなかったり、海外に出る頻度が低かったりすると、eximoより複雑で割高な料金プランになってしまう。「バリューは今後、どんどん進化させていく」(執行役員 コンシューマサービスカンパニー統括長 鈴木基久氏)というように、サービスや特典が追加されることも示唆されているが、現時点ではeximo以上に“人を選ぶ”料金体系になっているといえそうだ。

 ahamoをahamoのまま残しているのは、そのためだ。ドコモ MAXや後述するドコモ miniは、「店頭でフルサポートしてお選びいただくプラン」(齋藤氏)という位置付け。対するahamoは「ターゲットなり、使い勝手なりが、店頭をご利用いただている方と違う」といい、「極めてシンプルなオンライン専用プラン」(同)としてコンセプトをキープした。ユーザーから好評のahamoがあるため、最上位プランはよりサービスをバンドルする方向にかじを切れたと見ることもできる。

ドコモ シンプルなオンライン専用プランとして、ahamoはそのままの形で残る。他のプランが複雑になったことで、よりそのシンプルさが際立つ形になった

 実際、ahamoはもとのデータ容量が30GBと大きく、「大盛りオプション」を付ければ4950円で110GBまで増量可能。ドコモ MAXのような使い放題ではないものの、スマホ単体で利用するのであれば十分なデータ容量だ。“使い放題”や“無制限”とまでは言い切れないが、それに近い感覚で利用できる。ahamo大盛りであれば、家族での契約やdカード、ドコモ光などはなくてもこの料金で済む。その意味で、ドコモ MAXはこれまで以上にahamoとの差別化を図った料金プランといえる。

ドコモ 大盛りオプションを付ければ、4950円で110GBまで使える。割引などの条件もないため、シンプルに回線を使いたい人にはいい選択肢といえる

 経済圏にどっぷりつかり、データ使用量も多く、しっかり料金を払ってくれるという点では、ドコモにとっての“優良顧客”だが、ドコモ MAXでは、こうした層への還元をより手厚くしてニーズに応えた格好だ。良くも悪くも、顧客と呼べるユーザーを選別しているようにも見える。こうしたコンセプトは、低容量、低価格を売りにしていたドコモ miniにも踏襲されている。

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