ドコモが料金プランを刷新したワケ “優良顧客”重視にシフトも、サブブランド競争では不安も:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2025年04月26日 11時27分 公開
[石野純也,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ドコモ miniは容量二択に、値上げ&割引強化は吉と出るか凶と出るか

 サービスを大幅に拡充して料金を上げたドコモ MAXに対し、ドコモ miniはirumoからデータ容量の選択肢を大きく減らしている。irumoは通信方式、速度に制限のある0.5GBに加えて3GB、6GB、9GBの4つでサービスを提供しているが、ドコモ miniは4GBと10GBの二択。しかも、各種割引適用前の料金は4GBが2750円、10GBが3850円と、容量の近いirumoの3GBや9GBより大きく値上げされている。4GBの金額は、2827円の6GBに近いほどだ。

 一方で、dカードお支払い割が187円から550円に、ドコモ光やhome 5Gとのセット割が1100円から1210円に増額されており、ドコモでんきセット割も新設された。これらを加味すると、4GBは880円でirumoの3GBと同額になる。また、10GBの各種割引適用後の料金は1980円で、こちらはirumoの9GBより安く、かつデータ容量も1GB増加する。固定回線やクレジットカードとの連動性を、より高めたというわけだ。

ドコモ ドコモ miniは4GBと10GBの二択。一見、料金据え置きで容量が増えたように見えるが、同料金のまま使うための条件は増えている

 さらに、新規受付を終了したOCN モバイル ONEの受け皿として用意されていたirumoの0.5GBプランが廃止になった。大手キャリアの回線を特別な条件なく550円で維持できる異例の料金プランだったが、「OCN モバイル ONEからの移行先としてある程度来ていただけたので、役割を終えたと思っている」(コンシューマサービスカンパニー マーケティング戦略部長 山本明宏氏)として、提供終了に至った。

 維持費が安いことで、MNPの“弾”としてキープされていた側面もあったようだ。齋藤氏も、「ご指摘の部分はあった」とそれを認める。データ通信をほとんどしない、電話中心のユーザーには適した料金プランだったものの、必ずしもその思惑通りには使われていなかったことがうかがえる。ドコモにとって収益が少ない、いわばもうからない料金プラン。MNPの弾にされ、販促コストがかかれば赤字にもなりかねない。OCN モバイル ONEからの移行が一定数程度進んだ状況を見計らって、“止血”を図った格好だ。

ドコモ 大手キャリアとして破格の料金だったirumoの0.5GBだが、MNPの弾になっていた側面もある

 経済圏や他サービスとの連動を強化し、格安で持てる0.5GBを廃止したという点では、ドコモ miniもirumoより優良顧客重視に路線を方向転換したといえる。各種割引適用後の料金は安く抑えつつ、通信料金以外の固定回線やクレジットカードで収益を確保できるように設計されていることが、それを物語る。ドコモは、irumoの導入によってARPU(1ユーザーあたりの平均収入)が下落していたが、ここに歯止めをかける狙いも透けて見える。

 一方で、irumoは、他社のサブブランドを契約するユーザーを奪ってくる役割も担っている。持株会社のNTTからシェア35%以上を死守するよう厳命されているだけに、低容量の分野で競争力が落ちてしまう点には不安も残る。実際、サブブランドの代表格であるY!mobileは、光回線とのセットとPayPayカードがあれば、4GBの料金は1078円になり、ドコモよりやや高いが割引の適用条件は緩い。同様に、UQ mobileもau PAYカードとauでんきか固定回線のどちらかがあれば、4GBが1078円になる。

ドコモ UQ mobileのミニミニプランは、割引適用後の料金が1078円。ドコモ miniより高いが、より少ない条件でこの金額になる

 対するドコモはdカードお支払割の比重が高く、さらに固定回線とのセット割やでんきセット割も込みでようやく880円まで下がる。条件を満たすハードルは、Y!mobileやUQ mobile以上に高い。齋藤氏は、「極めてリーズナブルな880円や1980円でやっているので、競争力は十分維持できると思っている」と語っていたものの、条件の多さでユーザーから敬遠されるリスクは残る。サブブランドは獲得競争の主戦場なだけに、優良顧客重視の方針があだになる可能性もありそうだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月25日 更新
  1. 「iPhone Duo」はLINEもポケモンGOも“黒い”余白だらけ? 日本の定番アプリは未対応が多く (2026年10月23日)
  2. 「Androidのマイナンバーカード」がスタートするもフル機能対応機種が少ない件 ポイントは「StrongBox」という仕組み (2026年10月24日)
  3. きょう発売の「iPhone Duo」、Apple 表参道でゲットしてきた 早速開封レポート (2026年10月23日)
  4. ダイソーで1100円の「USB Type-C to HDMIケーブル」でスマホの画面をテレビに映すとどうなる? 対応機種なら試してみる価値あり (2026年10月24日)
  5. iPhone Duoを使って痛感した「Face ID」のありがたさ 充電スタンドに置いたまま通知が見られない不便さに苦しむ (2026年10月24日)
  6. 進化した「Siri AI」で感じた、iPhoneの操作を一変させる実力 「AI出遅れ」の汚名返上なるか (2026年10月24日)
  7. モバイルSuicaの新決済「teppay」を早速試した 店員への伝え方や決済音は? スムーズに決済できる? (2026年10月22日)
  8. 「iPhone Duo」を試して分かった9つの疑問と本音 36万円超の折りたたみスマホは「買い」か? (2026年10月21日)
  9. デジタル庁が「Androidのマイナンバーカード」対応機種を公表 属性証明機能を使える機種は限定的 (2026年10月19日)
  10. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー