ただ、スマートフォンでGalaxy AIのフル機能を利用できるのは、Galaxy Sシリーズと、折りたたみ型のGalaxy Zシリーズに限られる。ミッドレンジのGalaxy Aシリーズに対しては、「Awesome Intelligence」と称したAI機能を提供しており、かこって検索、テキストの音声変換、AI消しゴムなどの機能を利用できる。Geminiについては2025年5月以降、Aシリーズでも電源キーの長押しで起動できるようになる見込みだ。
一方、文字起こしやリアルタイム通訳といった、より高度な処理が求められる機能はAシリーズでは現状、利用できない。例えばZTEは「AI for ALL」というスローガンを掲げており、クラウドを活用することで、ミッドレンジモデルでもリアルタイム通訳機能などの高度なAI機能が使えるようにしている。
Galaxy AIもオンデバイスを基本とし、必要に応じてクラウドを活用しているが、クラウドを活用すれば、Aシリーズへの対応も可能なはず。Aシリーズは日本でも売れ筋であるだけに、AIの普及に向けて、Awesome Intelligenceの拡張にも期待したい。
さて、Galaxy AIについて1つ気になることがある。それは2026年以降、有料化の可能性があることだ。
Galaxy AIのWebサイトには、以下の注釈がある。
Galaxy AIは、対応するGalaxyデバイスで2025年末まで無料で提供される機能です。第三者が提供するAI機能には、異なる条件を適用する可能性があります。
この文面からは、「Galaxy AIは2026年から有料になるが、一部の機能は無料になる」と読み取れる。確かに、ChatGPT ProやGemini Advancedなど有料のAIサービスは存在するが、スマートフォンに組み込んだAI機能で有料化を取り入れているケースは聞かない。代表的なところでは、iPhoneに採用している「Apple Intelligence」は無料だ。
仮にGalaxy AIが有料になると、競合メーカーに対して不利になるのは言うまでもない。有料化の可能性について、サムスン電子に問い合わせたところ、以下の回答を得られた。
Galaxy AIは2025年末までは無料で提供をすると発表しておりますが、その後のことについてもまだ詳細な発表は行っておりません。
当社はさまざまなAIエージェントと連携するプラットフォームを構築しており、プレミアムサービスの提供など、今後の詳細計画はパートナー企業と決定していく問題となりますが、基本的なGalaxy AI機能の有料化計画はありません。
今後も着実に業界トレンドと市場の反応に敏感に対応し、ユーザーに最先端の経験をご提供できるよう努めてまいります。
つまり、現在提供されているGalaxy AIの機能が2026年に有料になることはなく、今後提供するであろうプレミアム機能については、有料化の可能性がある、ということだ。GoogleだけでなくOpen AIとも協業して、より高度なAI機能を有料で提供するといったことも考えられる。パートナー企業との提携による機能拡張も期待したいところだ。
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