折りたたみスマホのガラスが「割れにくい」理由 motorola新作に採用された日本企業が解説

» 2025年05月14日 11時20分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 日本電気硝子(以下、NEG)の製造する化学強化専用超薄板ガラス「Dinorex UTG」が折りたたみスマートフォン「motorola razr 60」シリーズに採用された。フレキシブルデバイス向けのガラスで、液晶・有機ELテレビなどのディスプレイ用ガラスで培ってきた成形技術を応用している。

motorola DinorexUTG 縦折りタイプのフォルダブルスマートフォン「motorola razr 60」シリーズ。左がmotorola razr 60 ultra、右がmotorola razr 60

 Dinorex UTGは、表面が非常に滑らかで、ガラスの厚みが均一だ。また、直径3mm以下、つまり非常に小さな曲率でも折り曲げることができるほどの柔軟性を持っており、繰り返し折りたたんでも壊れにくい高い耐久性を備える。

 こうした特性を持つDinorex UTGにより、フレキシブルデバイスの柔らかく曲がるという本来の特性を損なわずに、画像・映像を表示する精度を維持しつつ、傷や衝撃への強さを両立している。

なぜ曲げても割れにくいのか

 折りたたみスマートフォンの内側にあるインナーディスプレイの開発では、「折りたためるディスプレイ」をどう実現するかが大きな課題となっていた。従来の化学強化専用ガラスは、強度には優れているものの、折り曲げると割れてしまうため、これまでは主に樹脂素材が使われてきた。

 ガラスには「薄くすればするほど曲げに強くなる」という特性があるとはいえ、実際に折り曲げられるほど薄く、かつ実用的なガラスを作るには、高度な技術が必要だった。

motorola DinorexUTG

 NEGはガラスの性質に着目し、20年以上前から「超薄板ガラスの研究開発に取り組んできた」と広報noteで振り返っている。市場から求めるのは、一般的なA4コピー用紙(約0.1mm)の半分以下となる、厚さが0.035mm(35マイクロメートル)の製品だという。2020年7月には、さらに薄い0.025mm(25マイクロメートル)のガラスを開発した。

 Dinorex UTGのDinorexはNEGが2014年に開発した技術をベースとしており、その名称は「Dinosaur(恐竜)」と「Rex(ラテン語で王)」を組み合わせた造語で、ティラノサウルスのような強さと頑丈さをイメージしたという。

 その技術が後にDinorex UTGへと発展し、折りたたみスマートフォンへの実装へと至ったワケだ。

motorola DinorexUTG ハンマーで叩いても割れない化学強化専用ガラスDinorex

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  3. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  4. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  5. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  6. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  7. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  8. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  9. 「Galaxy S26」シリーズはどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年03月11日)
  10. 【無印良品】ウエストポーチもになる「スリングバッグ」が3990円に値下げ中 植物由来の原料を使用 (2026年03月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年