最後に、各社の競争戦略について語られた。
mineo(オプテージ) 松田氏 ファンあってのmineo。ユーザーの皆さまとサービスを一緒に作っていく『マイネオらしさ』を大切にしたい。コミュニティーサイトを通じて長く使ってもらえる安心感を提供することが、リテンションにつながっている。
イオンモバイル(イオンリテール)井原氏 「安くないとイオンモバイルじゃない」という価格へのこだわりと、店舗を通じた安心安全の提供。イオングループの経済圏を生かし、「イオンを使っているならイオンモバイル」と相互理解いただけるサービスを目指す。他社にはまねできない競争戦略だ。
メルカリモバイル(メルカリ) 永井氏 プロダクトとしては、まだ完成形ではない。「Move Fast」の精神で、お客さまの声を吸い上げて改善し続ける。メルカリユーザーなら「やらない理由がない」ところまで高めていくことが一番の競争戦略。
パネルディスカッション後の質疑応答で、MNOの低容量プランの廃止とMVNOの商機について問われると、松田氏は「直接的なキャンペーンは考えていないが、パケット放題Plusのような使い方提案を強化したい」と回答。井原氏は「チャンスだが、MNOから乗り換えない層へのアプローチが重要。店頭での比較提案を強化する」とした。永井氏は「チャンスと捉え、2GBプランの入会キャンペーンを実施中。価格以外の訴求も模索する」と述べた。
また、各MNOでは金融提携サービスが伸びているが、経済圏という意味でこのあたりをどの程度重視しているかという質問に対して、イオンモバイルの井原氏は「イオンフィナンシャルとの連携は最重要課題の1つで、差別化の核」と強調。メルカリモバイルの永井氏は「既に決済でメルペイやメルカードが利用可能だが、さらにロイヤリティープログラムなど連携を強化していく」と語った。
MVNO各社は、MNOの動向や市場の変化を注視しつつ、それぞれの強みを生かした独自の戦略でユーザー獲得と満足度向上を目指している。今後も、価格競争だけでなく、ユニークなサービスや顧客体験の提供がMVNO市場の発展の鍵となりそうだ。
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