20万円超えの「Xperia 1 VII」が文鎮化したらどうすべき? 既に購入した人がやるべきこと

» 2025年07月06日 22時50分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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 ソニーが2025年夏商戦に向けて市場に売り出したスマートフォンのハイエンドモデル「Xperia 1 VII」。主要販路はソニーストア、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクで、いずれの販路でも最も安価な構成で約20万円と高価格な製品だ。カメラ性能や動画撮影機能の強化などが大きな進化点となっている本製品だが、ソニーは7月4日、まれに「電源が落ちる」「再起動が掛かる」「電源が入らない」不具合が発生することを明らかにした。

 この問題は一部モデルに限られたものではなく、国内で販売された全てのXperia 1 VIIにおいて発生する可能性があるとされている。もしも購入後すぐ、あるいは数日・数週間使用したのちに端末の起動ができなくなってしまった場合、ユーザーはどう対処すべきなのか。本記事では、復旧を試みる手順から保証サービスの活用まで、現時点でとり得る対応を網羅的に紹介する。

Xperia1VII ソニー 「Xperia 1 VII」
Xperia1VII ソニー Xperia 1 VIIのカラーはスレートブラック、モスグリーン、オーキッドパープルの3色

まず試したい「強制再起動」操作

 Xperia 1 VIIが突然反応しなくなったとしても、すぐに故障と判断するのは早い。ソニーによれば、本事象はソフトウェアに起因する可能性があり、以下の手順によって復旧する場合があるという。

  1. 電原ボタンと音量+ボタンを20秒間同時に押して電原を入れる
  2. 起動後にソフトウェア更新(システムアップデート)を実施する

 電源ボタンと音量アップボタンを20秒間同時に長押しする行為は、いわゆる「強制再起動」にあたる操作で、一時的なフリーズやシステムの異常をリセットする効果がある。見た目には何の反応もないように感じられるかもしれないが、20秒程度はしっかりと押し続けてみてほしい。もし端末が振動したり、画面が点灯したりした場合は再起動が成功した可能性がある。

 無事に起動できた場合には、念のためすぐにソフトウェアアップデートを確認し、最新の状態にしておくとよい。ソニー側でも、復旧後にシステムアップデートを適用することで安定性の改善が見込めるとしている。

強制再起動でも起動しない場合は……?

 上記の手順を試しても端末がまったく反応しない、あるいは一度は起動しても再び同様の症状が繰り返される場合は、自力での復旧は難しいと考えた方がよい。以下のように、購入した端末のモデルによって問い合わせ先が異なるため、確認の上で適切な窓口に相談したい。モデルごとの相談窓口は次の通り。

  • Xperia 1 VII XQ-FS44(SIMフリーモデル) → 050-3754-9013
  • Xperia 1 VII SO-51F(NTTドコモ向け) → 0120-800-000
  • Xperia 1 VII SOG15(KDDI/沖縄セルラー電話向け) → 0077-7-111
  • Xperia 1 VII A501SO(ソフトバンク向け) → 0800-919-0157

【訂正:7月7日8時15分】初出時、問い合わせ先の一部に誤りがありましたので、正しい電話番号に修正いたしました

データのバックアップは可能なうちに

 ソニーでは、本不具合の原因を調査中であり、ハードウェアの欠陥か、ソフトウェア側の問題かは明らかにしていない。万が一の再発に備えて、端末が正常に動作しているうちに大切なデータをバックアップしておくことが推奨されている。

 写真や動画、連絡先、LINEのトーク履歴など、スマートフォンの中には個人の大事な情報が詰まっている。クラウドサービスやPCを活用し、定期的なバックアップを習慣づけておくことで、突発的なトラブルにも備えられる。

保証サービスを活用して修理・交換を依頼する

 強制再起動でも起動せず、窓口への問い合わせによっても根本的な解決が得られない場合、端末の修理あるいは交換対応を検討することになる。その際に重要となるのが、加入している保証サービスの内容だ。Xperia 1 VIIは、購入時に各キャリアまたはソニー独自の保証制度に加入していた場合、所定の条件を満たせば無償または少額の負担で修理・交換を受けられる。

ドコモの場合:smartあんしん補償

 NTTドコモでは、スマートフォンに加え、自宅のIoT機器やスマホ決済トラブルも包括的にカバーする「smartあんしん補償」を提供している。月額1100円で、Xperia 1 VIIも補償対象に含まれる。今回のような電源が入らないという現象は「自然故障」に該当する可能性が高く、保証期間内であれば補償対象として取り扱われる見込みだ。

KDDIの場合:故障紛失サポート ワイド with Cloud

 KDDIでは、「故障紛失サポート ワイド with Cloud」という保証サービスを提供している。月額使用料は契約内容により異なるが、加入していれば通常1年のメーカー保証を3年に延長し、無償での修理が受けられる。取扱説明書に従った正常な使用中の自然故障は保証対象となるため、今回のような不具合は対応範囲内とみられる。

ソフトバンクの場合:あんしん保証パックネクスト

 ソフトバンクでは、「あんしん保証パックネクスト」を提供。故障時の修理対応やバッテリー交換、水ぬれ対応などがセットになっている。ただし、同社が提携する「iCracked Store」での即日修理サービスは、Xperia 1 VIIのようなソニー製スマートフォンには対応していない点に注意したい。

Xperia1VII ソニー ソニー製スマートフォンは、「iCracked Store」での即日修理サービスに対応しない。持ち込み修理をiCracked Store店頭で依頼しても応じてもらえないということだ。注意事項は赤枠で囲った部分

ソニー独自の「Xperiaケアプラン」

 SIMフリーモデル(XQ-FS44)などを直接購入したユーザーには、ソニー独自の「Xperiaケアプラン」が用意されている。これは、年払い(5500円)または月払い(550円)で加入できる保証サービスで、自然故障だけでなく水没・破損などにも対応。端末の交換または修理の選択が可能となる。

キャリアやメーカーの保証サービスには注意点も

 ただし、こうした保証サービスはいずれも「購入時に加入していること」が前提であり、購入後に不具合が発生してからの新規加入は認められていない。また、中古端末やフリマアプリなどで入手した場合は、キャリアやメーカーの保証対象外となるため、購入元での保証有無を事前に確認しておくことが重要だ。

ユーザー側でできる対応を着実に実施していくしかない?

 繰り返しになるが、Xperia 1 VIIに関する不具合の詳細な原因はいまだ公表されていない。ソニーから公式発表があったのは2025年7月4日であり、調査開始からまだ日が浅い。仮に修理や交換の手続きに入ったとしても、製品がすぐに手元に戻るとは限らない点には留意したい。特に、販売自体が一時的に停止されている状況にあるため、代替機の手配や再入荷時期にも影響が出る可能性がある。

 今後、原因の特定やソフトウェアアップデートによる恒久的な対策が発表されることが期待されるが、それまではユーザー側でできる対応を着実に実施していくしかないだろう。端末が正常に動いているうちにバックアップを取る、保証サービスを確認する、そして必要に応じて修理などの窓口へ相談する──それが現時点で最善の対応策となるだろう。

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