KDDIの松田博路社長は8月1日、決算会見で「スマホソフトウェア競争促進法(以下、スマホ新法)」の私見を述べた。12月中旬から施行されるスマホ新法について、KDDIの事業が「直接的な対象ではないが、ユーザーが混乱しないように配慮しなければならない」と、慎重な姿勢を示した。
スマホ新法は、スマートフォンで使われるモバイルOSやアプリストア、Webブラウザ、検索エンジンといった「特定ソフトウェア」を対象に、事前規制を行うものだ。現在問題視されている特定少数の有力事業者による寡占状態を改善し、多様な事業者が参入しやすい環境をつくることを主な目的としている。これにより消費者は多様なサービスを選択でき、イノベーションの活性化やサービスの向上が期待されている。
他にも、ブラウザや検索アプリを選択・変更可能にする画面の表示が義務付けられる。この「チョイススクリーン」についても松田氏は触れ、「ユーザーが本来選ばなくてもよかった項目まで選択することになるため、詳しい人は問題ないものの、そうでないユーザーにどのような影響が出るか」を懸念し、カスタマーサポートへの問い合わせ状況を注視していくとの考えを述べた。
アプリストアという言葉からは、KDDIが2010年に提供を始めたスマートフォン向けアプリ配信ストア「au one Market」を想起させられる。これは、auから発売したAndroid搭載スマートフォン向けに日本のユーザーニーズに最適化されたアプリケーションを集めたマーケットプレースで、検索・レコメンド、ランキング、auかんたん決済、セキュリティチェックといった機能を備えていた。
松田氏は、「KDDIとして独自のアプリストアを設ける計画はない」ことを明らかにした。
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