ここまでauのStarlinkサービスをご紹介してきましたが、おがさわら丸は船内にStarlinkアンテナを搭載し、Wi-Fiとして利用できるサービスを2025年6月より提供しています。料金は1台あたり4000円。
船内Wi-Fiへ接続し、東京湾内のネットにつながるうちに支払えば、24時間の航行の間、ずっとインターネットサービスを利用できます。
支払いの手続きで接続エラーが頻発したものの、1回接続できれば後は快適そのもの! YouTubeやNetflixなど動画サービスも難なく使えました。ゲームもしてみましたが、ラグもほとんどなく、ソロプレイなら問題なし、国内線の機内Wi-Fiよりも断然快適です。
船員さんいわく、今回の場合600人の乗員のうち60人ぐらいがサービスを利用しているそうで、接続人数が増えると輻輳(ふくそう)防止で利用制限がかかる可能性があるものの、動画を高画質で視聴する場合を除き、快適に利用できるようにしているとのことでした。
2024年2月のさんふらわあ大阪−志布志航路にてトライアルが始まったのを皮切りに、現在では複数の航路で同様のWi-Fiサービスが提供されています。例えば、同じく東京を拠点として伊豆諸島とつながる東海汽船では2025年1月より無料でStarlinkを使ったWi-Fiサービスを提供していますし、空路でもJAL系列のZIPAIRがStarkinkを使った機内Wi-Fiサービスを提供しています。山でもさまざまな山小屋でStarlinkの導入が進んでいるという話もあります。
これらのサービスはau Starlink Directのようなスマホとの直接通信と違って、専用アンテナとの通信をWiーFiで共有する仕組みのため、より安定した通信が可能です。今後もこのようなホットスポット的な仕組みで、裏の仕組みは衛星通信というような使い方でより身近になってくるのだと思います。
結局、今回の旅では船内Wi-Fiに接続することでインターネットを利用しました。将来的にはスマホで直接衛星通信ができるようになる! と思われがちですが、現時点では緊急用でしかなく、常用を考えるとまだまだ実用レベルではないといわざるを得ません。
最後に小笠原で撮影した写真をお見せします。秘境なアウトドア派の方はスマホでの衛星通信を体験してみてもいいでしょう。
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