データ容量が決まっている料金プランでも、容量を使い切ったらといって通信が全くできなくなるわけではありません。速度は制限されるものの、引き続き通信は可能です。最近は速度制限後も1Mbpsといった、ある程度何でもできる速度で通信できるサービスも増えてきました。また、通信サービスによっては容量を使い切る前に手動で低速に切り替えられる「低速モード」もあります。これらをうまく使えば、基本容量以上にお得にデータ通信ができます。
ただ、最近は容量超過後の低速通信に容量制限が設けられたり、低速モードがなくなったりするサービスが増えてきました。そこで今回は主要なキャリアとMVNOの容量超過後の速度と低速モードをまとめます(料金は全て税込み)。
まずは主要なキャリアとMVNOの現行プランにおける容量超過後の最大速度をまとめました。
大手3キャリアの容量超過後の最大速度はほとんどが128kbpsです。唯一、auのスマホミニプラン+ 5G/4Gは300kbpsですが、このプランで5GBを使った場合、月額料金は8008円から各種割引を適用しても5478円と非常に高いので、300kbpsを目当てに契約するのはオススメしません。
一方、オンライン専用プランとサブブランドは容量超過後もなかなか速いです。ahamo、LINEMOベストプランV、Y!mobileのプランM/L、UQ mobileは最大1Mbpsで通信できます。1Mbps近い速度が出ればYouTubeなどの動画も標準的な画質で詰まらず視聴でき、他も大抵のことはできるでしょう。SNSでは「速度制限がかかったことに気が付かなかった」という口コミもあるくらいです。
ただし、最近は容量超過後の低速通信に容量制限が設けられることが増えてきました。例えばLINEMOやY!mobileは、低速状態で基本容量の半分を使うと、最大速度128kbpsにさらに制限されてしまいます。
そんな中、ahamoは低速通信に容量制限がなく、最大1Mbpsで使い放題です。30GBで全然足りない場合は大盛りオプションの契約がオススメですが、数GB程度なら1Mbpsで乗り切ってもよいでしょう。
IIJmioのギガプランの容量超過後の最大速度は300kbps、mineoのマイピタは200kbpsです。さらにこの2キャリアは低速モードも使えます。低速モードとは、高速通信のデータ容量が残っている状態でも、手動で速度を低速に切り替えられる機能です。低速モードをオンにすれば通信速度は制限されるものの、容量は消費しません。どちらも、低速モードオン時の最大速度は容量超過後と同じで、IIJmioは300kbps、mineoのマイピタは200kbpsです。
ただし、IIJmioのギガプランは最大300kbpsで使えますが、低速のまま3日間で366MBを使用すると、速度がさらに制限されます(制限後の最大速度は非公開)。例えばLINE MUSICの場合、音質が「中音質」なら1時間で86.4MBほど消費するそうです(LINEMO公式サイトより)。この計算では4時間ちょっとの再生で366MBを超えるので、3日間で366MBという制限はかなり厳しいです。低速モードも音楽やラジオをガンガン聞くのには向かず、あくまで補助として考えておいた方がいいでしょう。
一方、mineoのマイピタでは最大速度が200kbpsとIIJmioより遅いものの、容量制限はありません。音楽ストリーミングやラジオ視聴でたくさんデータを使いたい人は、mineoのマイピタの方がいいかもしれません。
なお、以前はUQ mobileも「節約モード」を提供していました。特にくりこしプランやくりこしプラン+5GのプランM/Lは容量を消費せずに最大1Mbpsで通信でき、非常に人気でした。ただ、その後に発表されたプランでは節約モードが使えるプランが減っていき、現行の「コミコミプランバリュー」と「トクトクプラン2」はどちらも非対応になりました。この節約モードのために、いまだにくりこしプラン+5Gを使っているという人も多いようです。
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