グーグルは自社ブランドのスマートフォン「Pixel 10シリーズ」を発表した。国内ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに続いて、楽天モバイルも取り扱いを行う。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年8月23日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
10、10 Pro、10 Pro XLは8月28日、折りたたみの10 Pro Foldは10月9日発売となる。
見た目的には前モデルとほとんど変化がなく、目新しさに欠ける。ただ、グーグルとしては当然のことながら、AI機能で勝負を賭けているようなので、中身がどれくらい進化しているかに注目すべきだろう。
そんななか、個人的に期待しているのが「マジックサジェスト」だ。
Pixel 10シリーズではTensor G5チップによって、ユーザーがやりたいアクションを事前に把握し、先回りして情報を見せてくれたりするという。
例えば、航空会社のコールセンターに電話をする際には、電話番号から、航空会社からもらったメールを探し出し、予約情報などを電話アプリの画面に表示してくれるというのだ。
これにより、ユーザーは画面上の予約情報を見ながら、オペレーターと会話ができる。
果たして、ここまで正確にユーザーの欲しい情報を瞬時に出してくれるものなのか。かなり期待しちゃう一方で、期待通りに動かないという不安もある。
実際、グーグルの体験会でも、電話による翻訳機能はしっかりと紹介してくれる一方で、マジックサジェストに関しては、さらっと触れる程度で、あまりデモをしてくれなかった。
最近、ブリーフィングやラウンドテーブルがWeWork内で行われることが多いのだが、毎回、事前にQRコードが発行され、そのたびにQRコードを受付で提示してチェックインしなくてはいけないのが面倒だ。
あれこそ、スマホがスケジュールからQRコードが必要だということを判断して、メールからQRコードを探して、位置情報からビルに近づいたら画面にQRコードを表示するということをやって欲しい。
ANAやJALなどの航空会社は、チケット情報をApple Payに入れておけば、時間や場所で、チケットにすぐにアクセスできるよう待ち受け画面に通知が出るようになっている。
ああいった配慮をすべてのタイミングでOS側がやってくれれば、どんなに便利だろうか。
その点、今回のマジックサジェストにはとても期待している。ただ、Androidでは個人用と法人がWorkspaceとして導入する業務アプリとして、アカウントが2つ使えるが、マジックサジェストは業務用アカウントには非対応とのことであった。
せっかく、仕事のメールやスケジュールを管理する業務用アカウントなのに、AIの恩恵を全く受けられないというのは、グーグルとしても詰めが甘いのではないだろうか。
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