ドコモ「iPhone 17」などの販売再開 設備故障で通話できず“高級iPod化” SNSには「情報周知が遅い」「地獄」との声

» 2025年09月20日 12時07分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]
NTTドコモ eSIM iPhone17 iPhoneAir 販売再開 NTTドコモ

 NTTドコモのeSIM開通手続きができず、新しいiPhoneで通信できなくなるトラブルが起きた。9月20日、ドコモは販売を一時停止したeSIM対応端末の「iPhone 17」シリーズ3機種と「iPhone Air」の販売を再開すると告知した。

 eSIMは端末内部にあらかじめ埋め込まれたSIM規格で、従来のようにカードを抜き差しする必要がない。ネットワークを通じて契約情報を書き込むことが可能で、店舗に出向かずにプラン変更や移行ができる利点がある。だがその特性ゆえ、キャリア側のシステム障害が発生すると利用者は自力で回避できない。

 iPhone 17シリーズとiPhone Airは、日本で初めてeSIM専用仕様となった端末だ。開通処理が行えず、多くのユーザーが電話もデータ通信も使えないまま「ただのiPod」と化した端末を手にする事態となった。

NTTドコモ eSIM iPhone17 iPhoneAir 販売再開 iPhone 17シリーズ3機種とiPhone Air。日本国内向けのモデルはいずれもeSIM専用で、従来のSIMには対応しない。つまり、ユーザーがトレイを引き出して、差し替え作業を行うことはできない

設備故障は19日16時30分頃に発生 新型iPhoneのはずが電話はできず

 設備故障が発生したのは19日16時30分頃だった。しかし、ドコモが公式X(旧Twitter)で最初に「eSIMの開通がしづらい事象」を告知したのは、3時間以上が経過した19時42分だった。既にSNS上では「古いiPhoneから新しいiPhoneへeSIMを移行できない」「通信サービスを契約しているのに開通できない」といった報告が相次いでいた。

 しかもこの時間帯は多くのドコモショップが閉店間際か、店舗によってはすでに閉店していた。「もっと早くツイートしてくれれば、仕事終わりにタクシーで駆け込むこともなかったのに」とする声もあり、情報発信の遅れが利用者の不満を増幅させた。

 20時52分には第2報を発表。店頭やオンラインショップでのeSIMの申し込みや、eSIM専用端末の販売を停止する措置を取った。ただし、ahamoサイトでは申し込みを継続すると案内した。復旧見込みは依然「確認中」とし、ユーザーからは「情報が遅すぎる」「安心して移行作業をしていいのか判断できない」との不満が寄せられた。

翌朝になってようやくiPhone 17シリーズとiPhone Airの販売再開へ

 一夜明けた20日7時34分、ドコモは第3報を発出。設備での対処を実施したとし、同日10時から11時頃にかけてeSIM申込と販売を再開する予定を告知した。ようやく復旧の見通しが示された格好だが、多くのユーザーは発売初日の夜から翌朝まで通信手段を失ったまま過ごさざるを得なかった。

 「昨日一日中試して出来ず、起きたら開通していた」「一晩は電話もSMS認証もできなかった」との報告が相次いだ。「障害が確認できた時点で、全ユーザーに向けて転送を控えるようアナウンスしてほしかった」という意見もあり、初動の遅れに対する批判は根強い。

 「補償が何もないのか」「さすがにもうドコモを辞めたい」といった感情的な投稿もあり、通信キャリアに対する信頼感を大きく損ねた格好だ。ある利用者は「iPhone 17 ProのeSIM転送でエラーが出て、元の端末からも移行先からもeSIMが消えた。ショップに行っても解決できず地獄」と発信し、問題の深刻さを物語った。

eSIMトラブルが日本市場に突きつけた課題 今後、業界全体に求められること

 今回のeSIMトラブルは、eSIM専用端末が日本で普及するうえで避けて通れない課題を浮き彫りにした。特に「障害が起きていると知っていれば転送しなかった」との声は、キャリアと利用者の情報共有の在り方を象徴する。発売初日の混乱を「地獄」と表現したユーザーもいた。

 AppleはiPhone 17シリーズとiPhone Airの日本国内向けモデルで物理SIM非対応に舵を切ったが、日本国内におけるeSIM移行を支えるキャリアのシステムと情報発信の体制が整わなければ、利用者に不便を強いるだけとなる。

 さらに、利用者が安心してeSIMを使えるようにするには、キャリア各社が復旧体制を強化するとともに、設備故障の発生時には即座に情報を発信できる体制が求められる。物理SIMという「逃げ道」が新型iPhoneに存在しない以上、ユーザー保護の視点が不可欠だ。

 新型iPhoneの発売日に発生した今回の問題は、単なる一時的なトラブルにとどまらず、eSIM普及の本質的な課題を突きつけた。通信キャリアと端末メーカーが協力し、利便性をいかに充実させられるかが、今後の普及のカギを握る。

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