日本で販売され使われる携帯電話機は、電波法に基づく「技術基準適合証明」と電気通信事業法に基づく「技術基準適合認定」を取得しています。技術基準適合証明と技術基準適合認定はまとめて「技適など」と呼ばれており、認証番号は「技適マーク」と併せて端末自身(端末への刻印/画面への表示)または端末に付属するパッケージ/説明書類に表示しなければなりません。
これらのうち、技術基準適合認定の設計認証番号のルールが2025年1月から変わったのをご存じだったでしょうか……?
技適などのうち、電気通信事業法に基づく「技術基準適合認定」の認証番号は、四角で囲まれた「T」の後に続くアルファベットと数字で表記します(四角で囲まれた「R」の後の数字は、電波法に基づく「技術基準適合証明」の認証番号です)技術基準適合認定では、認証番号の冒頭に端末種別を表すアルファベットを並べ、その後に認証取得年を西暦の下2桁で表記し、その後にハイフンを挟んで冒頭4桁で当該年における認証機関での通し番号、後3桁で認証を行った機関(団体/企業)の識別を行います。
2024年12月まで適用されていた旧ルールでは、端末種別が以下通り6種類設定されていました。
昨今の携帯電話機は、音声通話を行う「VoLTE(Voice Over LTE)」を行うことが原則です。このVoLTEはIP電話(インターネット電話)の規格をベースに作られているため、VoLTE対応携帯電話端末には「ADF」または「DF」というアルファベットが付与されていました。
「DF」で始まる認証番号を持つ携帯電話端末は、日本国内における3G(W-CDMA)通信に関する認証を取得していません。そのため、3G通信機能を備えていても国内では使えないことに注意が必要です。
FCNTの「arrows We2 Plus M06」は旧ルールで認証番号を取得しており、冒頭は「DF」です。つまり国内ではLTEまたは5Gで通信することになります(3G通信機能は海外用に装備している扱い)2025年1月からの新ルールでは、一部の端末種別がほとんど使われなくなった(新製品がほぼない)ことと、国内における3G通信サービスが2026年3月末をもって完全に終了する見込みであることを踏まえて、一部端末種別を“統合”して4種類にまとめました。アルファベットの後の表記ルールは従前と同様です。
新しい端末種別は、以下の通りとなっています。
新区分では、VoLTE対応の携帯電話端末のうちルーター(テザリング/インターネット共有)の機能を持たないものは「H」、ルーター機能を持つものは「HP」というアルファベットを割り当てます。(もうすぐサービス終了予定ですが)国内での3G通信機能の認証も取った場合、アルファベット部は「HQ」あるいは「HPQ」となります。
新旧どちらのルールを適用するかですが、あくまでも認証を取得した時期に依存しています。そのため、2025年発売の端末でも一部旧ルールで認証番号を取得したものが存在します。2025年夏以降に発売された端末は、新ルールを適用しているものが多いです。
新しい端末を買った皆さん、ぜひ認証番号がどうなっているかチェックしてみてください。
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