「つながりっぱなし」に疲れたZ世代の処世術 切れない人間関係は“ブロ削”する令和のコミュニケーション(2/2 ページ)

» 2025年09月29日 06時00分 公開
[鈴木朋子,ITmedia]
前のページへ 1|2       

見られ方を細かくコントロールするZ世代

 フォロワーを削除する行為は、「自分の投稿を見る人を限定したい」という思いから来ています。これはここ数年、SNSでよく見られる傾向です。

 例えばInstagramでは、メインアカウントとサブアカウントを作成し、サブアカウントは非公開にして親しい友人に限定するなどの使い分けをしています。

 さらに、ストーリーズへの投稿は「親しい友達」リストに公開して相手を絞り込みます。サブアカウントの「親しい友達」に入っているということは、親友に選ばれている証拠にもなるわけです。

 過去の投稿も、自分の今のキャラクターに合わせて整理します。10代女性のプロフィール画面には、投稿が数個しかなく、全体的に色味が合わせられていることがほとんどです。誰に見られても恥ずかしくない投稿、もしくは絶対に見てほしい投稿に絞っているのです。

 Z世代に流行中のSNS「BeReal.」は、近しい友人としかつながりません。BeRealは自分が投稿しなければ他の人の投稿が見られないため、自分の投稿を見せていい相手に限定しておく必要があるのです。

photo BeRealは投稿しなければ他ユーザーや公式アカウントの投稿が見られないため、最初からつながりを絞る

「人間関係リセット症候群」との関連性は?

 このように「フォロワーを削除」する行為を、「イマドキの若者は総じて人間関係リセット症候群の傾向があるのでは」と捉える人もいるでしょう。人間関係リセット症候群とは、ある時突然、全ての人間関係を切り捨ててしまう行動を指します。

 でも私は、「フォロワーを削除」と人間関係リセット症候群は異なる心理だと捉えています。クロスマーケティングが2025年1月に発表した「人間関係に関する調査(2025年)」でも、「人間関係をリセットした」経験を持つ人は年代で大きな差はありません。しかし、リセットの方法としてLINEやSNSを挙げている人を見ると、20代や30代の割合が高まります。

photo 人間関係のリセット方法(出典:クロス・マーケティング、クリックで拡大)

 これは、今の20代や30代がSNSとともに年齢を重ねてきていることによるものだと思っています。

 かつては、学校のクラス替えや卒業などをきっかけに、自然に人間関係が疎遠になりました。ところが今は、高校生になっても社会人になっても、小学生の時の友人とSNSでつながっている時代を迎えています。

 それはSNSらしいメリットとも言えますが、全く顔を合わせておらず、今後も会うことがなさそうな相手に自分の生活を見せ続けることに抵抗を感じるのも無理はありません。

 つまり、SNSにおいて自分の見せ方に重心を置いている若者が、不要なつながりを整理する行為が「ブロ削」や「ブロ解」であるというわけです。

 LINEは少し厄介です。単一のアカウントを使い続けることが多いため、今の人間関係にそぐわないつながりが大量に残されています。LINEは相手をブロックしても、相手のLINEから自分を消すことができません。

 相手の「友だち」リストには自分が残り、自分のプロフィール画像や背景を見られ続けてしまいます。こうした仕様に不満を持つユーザーも多いようなので、何かの折に作り直したいと考える若者もいるでしょう。

 ところで、LINEが若者に使われ始めた頃、LINEでは「ブロック大会」や「友達整理」が流行しました。

 「ブロック大会」や「友達整理」とは、LINEのタイムラインで「今からブロック大会するよ。ブロックされたくない人はいいねしてね」などと呼びかけ、いいねを集めて満足感を得るものです。今でも、Facebookなどで同様のことをしている人を見かけます。合理的な理由がなく、ただつながりを確認して安心したいという人は、世代を超えて存在しているといえるかもしれません。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月04日 更新
  1. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  2. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  3. 「Androidのマイナンバーカード」は10月20日スタート予定 今の「スマホ用電子証明書」と何が違う? (2026年10月02日)
  4. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  5. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2026年10月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年10月03日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 「BALMUDA Phone」のサポートがついに終了 バルミューダ初、異色スマホの終幕 (2026年10月01日)
  8. 「Xperia 10 VIII」は部材高騰でも「10万円以下」を死守、新サービス「Fan Sync」でエンタメ体験を拡張 (2026年10月02日)
  9. ドコモが低容量プラン「ドコモ mini2」発表 6GB/12GBの2段階で月額3278円/4598円 (2026年09月25日)
  10. 免許証画像が漏れると何が“ヤバい”のか タイムズカーで最大約660万件の個人情報漏えいで考えられる「3つのリスク」 (2026年09月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー