カメラは、超広角、広角、望遠のトリプルカメラ。広角カメラには、4800万画素のセンサーが搭載されており、ピクセルビニングを解除して切り出すことで2倍相当のズームとしても使える。望遠カメラは広角からの倍率で5倍までのズームが可能だ。ホワイトバランスの正確さや、シャープなディテールは他のPixel譲り。人も料理も、サッとキレイに撮れる。
一方で、Pixel 10 Pro/Pro XLほどの望遠性能はない。端末名に“Pro”を冠しているため、同じことができると思った向きもありそうだが、少なくとも望遠での撮影を楽しみたいならPixel 10 ProやPixel 10 Pro XLを選択すべきだ。Pixel 10 Pro/Pro XLに搭載された拡散モデルを使う「超解像ズームPro」にも非対応となる。
これは、望遠カメラが1080万画素と画素数が低いからだろう。Pixel 10 Pro/Pro XLの望遠カメラは4800万画素の5倍で、切り出しを使うことで10倍までほぼ劣化のない撮影ができる。これに対し、Pixel 10 Pro Foldでは、もとの画素数が低いため、切り出しが使えない。5倍以上には超解像ズームがかかる。デジタルズームで補正が入るということだ。
ただし、大本が5倍で、そこから2倍分を引き延ばしているだけなので、そこまで画質が劣化するわけではない。むしろ、補正はかなり優秀。少なくとも、単に画像を拡大しただけのデジタルズームとは大きく違う。肌のディテールもしっかり残っているし、Pixel 10 Proで撮った写真と比べても、かなり拡大しなければ違いが分からない。Pixel 10 Pro/Pro XLほどではないが、ズーム性能は優秀と評価していい。
また、フォルダブルの形状を生かし、メインカメラで自撮りを楽しむことも可能だ。メインの広角カメラを使えばインカメラよりも高画質なのはもちろん、超広角カメラに切り替えて複数人でグループ撮影したり、ポートレートモードを使って背景をボカしたりといったことも自由自在にでき、かつクオリティーも高くなる。
こうした使い方ができるのは、フォルダブルスマホならでは。画質の高さで定評のあるPixelシリーズならではのカメラと、表裏両方にディスプレイのあることの相乗効果で、撮影の幅が広がる。もちろん、折り曲げた状態のままテーブルなどの上に置き、自分も含めた状態で集合写真を撮るといった用途にも使える。単純な画質という観点ではPixel 10 Pro/Pro XLに及ばないものの、使い勝手まで含めると評価が高まる端末といえそうだ。
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