自民党の高市早苗総裁の取材現場から漏れ聞こえた、報道陣による衝撃的な会話──。その音声がインターネットの生配信を通じて拡散し、メディアの報道姿勢そのものを問う大きな議論へと発展している。
ことの発端は、10月7日の出来事だった。高市氏が公明党との連立協議を終え、記者団の取材に応じるのを待つ現場。その待機時間に日本テレビなどが設置した生配信用のマイクが拾ったのは、報道に携わる者として耳を疑うような会話だった。「支持率下げてやる」「支持率下がるような写真しか出さねえぞ」といった、特定の政治家に対する敵意や報道内容の意図的な操作を示唆する言葉が、何の編集も加えられることなくインターネット上に流れたのである。
その切り抜き動画がSNSで拡散されると、事態はさらに大きな広がりを見せた。翌8日にはX(旧Twitter)で関連ワードがトレンド入りを果たし、メディアの公平性や中立性に対する疑念の声が噴出する、いわゆる「大炎上」状態となった。問題の音声を含んでYouTubeで生配信を行っていた日本テレビは、後に当該部分をカットしたが、拡散の勢いを止めることはできなかった。
発言主が「どこの誰なのか」を特定しようとする動きも加速し、個人名を推測する情報が飛び交う事態にまで発展した。そして9日、時事通信社は問題の発言主が同社の映像センター写真部に所属する男性カメラマンであったことを認め、本人に厳重注意を行ったことを明らかにした。
今回の件は、決して氷山の一角ではないのかもしれない。IT業界の製品発表会や企業の記者会見など、規模の大小を問わず、取材現場で記者同士が特定の企業や登壇者に対して批判的な、あるいはやゆするような会話を交わしている光景は、残念ながら決して珍しいものではない。それがたとえ内輪の雑談であったとしても、その言葉が周囲にいる関係者の耳に入れば、不快な思いをさせることは想像に難くない。
ましてや、現代は至る所に高性能なマイクやカメラが存在する時代だ。取材者として現場に赴く以上、いつどこで自身の言動が記録され、公になるか分からないという緊張感を常に持つべきであろう。
取材現場で記者同士が特定の企業や登壇者を批判する雑談は珍しくないが、たとえ内輪の会話でも周囲を不快にさせる。至る所にマイクやカメラがある現代、いつどこで自身の言動が記録され、公になるか分からない。取材者は常に公の目にさらされていることが改めて浮き彫りとなった高市氏は1961年3月7日に生誕。長らく政界に携わっているイメージだが、実はテレビ番組のキャスターを務めた実績もあり、2014年9月3日に発足した第2次安倍改造内閣で女性初の総務大臣に就任した。かつて、ワンセグスマホに言及した場面もあり、モバイル業界にも関わりがある。
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