ノイキャン向上の「AirPods Pro 3」レビュー:Pro 2との比較で分かったこと 最も試したかった機能はお預け(1/2 ページ)

» 2025年10月27日 11時30分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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 Appleが9月19日に発売した完全ワイヤレスイヤフォン「AirPods Pro 3」は、大きな進化を遂げた。アクティブノイズキャンセリングの性能が先代と比較して2倍になり、Appleのイヤフォンとしては初めて心拍数測定機能を搭載している。Apple Storeでの価格は3万9800円だ。

 本稿では、AirPods Pro 3が先代からどのように進化したのか、比較を通じて明らかになったことを中心にレビューする。

AirPodsPro3 AirPodsPro2 ワイヤレスイヤフォン ANC ノイズキャンセリング 左が先代の「AirPods Pro 2」、右が「AirPods Pro 3」

ようやく耳に合うAirPods Proを手にできた

 多くの人の耳の形を研究して作られた結果、これまで以上に多くの人の耳にぴったりとフィットし、ランニングのような激しい運動をしても外れにくくなったという。耳に入れるゴムの部分であるイヤーチップも、新しく非常に小さい「XXS」サイズが加わった。XXS、XS、S、M、Lの5種類から選択可能になり、自分の耳に最も合うサイズを装着できるようになった。

 先代のAirPods Pro 2では、MかLサイズのイヤーチップを使用していたが、汗をかいたり歯磨きで前屈みになったりすると耳から外れて落下することがあった。ジャストフィットしなかったため、外での使用を控えていた。しかし、AirPods Pro 3ではMまたはLのイヤーチップが耳に合い、耳から落ちる頻度は減った。ようやく耳に合うAirPods Proを手にできたと実感した。

AirPodsPro3 AirPodsPro2 ワイヤレスイヤフォン ANC ノイズキャンセリング イヤーチップはMサイズがイヤフォンに取り付けられた状態で出荷される。他のサイズは箱の中にある
AirPodsPro3 AirPodsPro2 ワイヤレスイヤフォン ANC ノイズキャンセリング AirPods Pro 3のイヤーチップ。XXS、XS、S、M、Lの5種類から選択可能だ。イヤフォンに取り付けられたMサイズを除く他のサイズが箱に付属する

アクティブノイズキャンセリング性能の確かな向上

 AirPods Pro 3はPro 2と比較して、装着感とアクティブノイズキャンセリング性能が大幅に向上した。装着感については、これまでPro 2の見た目はほぼそのままに、形状が若干変わったことで耳への装着感が高まった。特に、汗で耳から落ちてしまうこともほぼなくなり、これなら外出時にも気兼ねなく持ち出せると感じた。

 そして、アクティブノイズキャンセリング性能も大幅に改善している。音楽再生時における周囲のノイズはほとんど聞こえなくなり、より音楽への没入感が増した。試しに、両モデルを持ち出して高速で走行する電車内で聞き比べたところ、電車の走行音がより気にならなくなったのはPro 3であり、Pro 2よりも静寂な環境に身を包まれる感覚があった。

AirPodsPro3 AirPodsPro2 ワイヤレスイヤフォン ANC ノイズキャンセリング 装着感の向上が寄与しているのか、アクティブノイズキャンセリング性能の向上を実感できる。AirPods Pro 2(写真=左)とAirPods Pro 3(写真=右)のイヤフォンを並べて比較すると、イヤフォンの形状が異なっているのが分かる

 電車内のスピーカー付近に座ると、停車駅などを知らせる放送音は音楽再生中にも聞こえる。しかし、どこまで消音にすべきかは断言しづらい点でもある。例えば、ノイズキャンセリング性能が向上し過ぎて周囲の音を判別しづらくなると、後ろから接近する車や歩行者に気付きにくくなり、安全面の確保が難しくなる恐れがある。

 とはいえ、電車の中など制止した状態であれば、アクティブノイズキャンセリング性能を存分に試したいし、むしろその性能が発揮されるべきだと考える。電車の走行音やエアコンの音は、これまでのPro 2でも気にならなくなっていたが、それがPro 3ではよりいっそうかき消されるイメージだ。

 パトカーや救急車のサイレンも、アクティブノイズキャンセリングをオンにした状態で聞き比べた。音楽再生時ならどちらも聞き取りづらく、音楽を再生せずにアクティブノイズキャンセリングがオンの状態では、Pro 3の方が若干静寂だった。ただし、Pro 3にしたからといって、全ての音がかき消されるというわけではない。

 Appleによれば、AirPods Pro 3のアクティブノイズキャンセリング性能は世界最高レベルだという。AppleはAirPods Pro 3のニュースリリースで、以下の通り明記している

 「iPhone 16とペアリングしたAirPods Pro 3、リリース前のAirPodsファームウェアとiOS 26を使用し、2025年7月にAppleが実施したテスト結果によります。ノイズ低減性能はIEC 60268-24の規格に従ってテストしました。テスト実施時に市販されていた販売台数の多いワイヤレスインイヤーヘッドフォンと比較しました。パフォーマンスはデバイスの設定、環境、その他の多くの要素によって変わります」

AirPodsPro3 AirPodsPro2 ワイヤレスイヤフォン ANC ノイズキャンセリング AppleはAirPods Pro 3のアクティブノイズキャンセリング性能について世界最高レベルとうたっている。その根拠を製品サイトで示している。文言は注釈11(赤枠で囲った部分)となる

音質はPro 2から大幅な改善は実感できず

 音質については、AirPods Pro 2から大幅に改善されたとはいいがたいが、AirPods Pro 3でも十分価格に見合う音質といえる。ただ、AirPods Pro 3は低音域に強くなった印象を持つ。ダンスミュージックなどのグルーヴィーなベースは、特にずっしりと聴こえる。

AirPodsPro3 AirPodsPro2 ワイヤレスイヤフォン ANC ノイズキャンセリング 「Apple Music」「YouTube Music」などで音楽を聴いたが、音質の大幅な向上は実感できなかった

 ストリングスも聴きやすくはあるものの、弓が弦に触れたときのこすれたような繊細な音の再現には弱い面がある。とはいえ、音数の少ない楽曲や軽いアコースティック、高音域に寄りがちな楽曲などもクリアに聴こえる。ジャンルとしては、多くの人が聴くであろうダンスミュージック、ヒップホップ、ポップスの楽曲においてこそ真価を発揮する印象で、比較的オールマイティーな視聴が想定されていると思われる。

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