筆者がよく相談を受けることに「iPhoneは高いからAndroidを子供に持たせたい」「Androidではいじめられるのか」といった保護者の声があります。子供はiPhoneを欲しがるけれど、親は本体価格が安いAndroidにしたいというニーズがあるのです。
中高生がiPhoneを欲しがる理由としてAirDropの存在が挙げられるのなら、今後は(AirDropが使えるようになった)Androidスマホを持ちたがるのでしょうか。
残念ながら、AirDropだけでは中高生のiPhone熱は冷めないように思います。なぜなら、iPhoneが人気の理由はAirDrop以外にもあるからです。
理由の1つは、スマホケースの豊富さです。iPhoneケースは、純正以外に家電量販店などでもさまざまなデザインが売られています。10代に人気の透明ケースも、100円均一ショップですぐに手に入ります。特に、雑貨ショップやファッションブランドはiPhone用のケースしか販売していないことも多く、かわいいiPhoneケースに入れて持ち歩きたいと考える女子はiPhoneを選びたくなります。
そして、iPhoneのカメラ人気もあります。「iPhoneの標準カメラが一番盛れる」と考える女子が多く、みんなで撮影するときは新しいiPhoneを持っている人が撮影する流れになりがちです。ここ数年流行しているSNS「BeReal.」も標準カメラでの撮影ということもあり、カメラ自体の性能が注目されています。
最近は自撮りを美顔アプリで加工しない人も増えており、ナチュラルなままで盛れる写真を目指しています。自撮りアプリ「BeautyPlus」には「Appleモード」が用意されており、自然に盛れると好評です。iPhoneを使っている人でもAppleモードで撮影することが流行っています。
iPhoneシリーズは、スマホ全体ではミドルレンジモデルからハイエンドモデルに位置付けられ、性能の良いカメラが搭載されています。Androidでもハイエンドには高画質で美しく撮れる機種はたくさんあるのですが、身近にはそうした機種を持っている人がいないのかもしれません。
また、実際のカメラ性能だけでなく、「iPhoneは盛れる」「iPhoneかっこいい」といったブランドイメージの高さによるところも大きいのだと思います。
他にも、主に男子から「Androidはゲームがカクカクする」といった声もあります。こちらも、中高生が買い与えられたAndroidスマホが主にエントリーモデルであることが多く、ハイエンドモデルのiPhoneと比較してしまうと厳しいということでしょう。
このように、AirDrop以外にも、ケースの豊富さやカメラやスペックの違いから「私も(僕も)iPhoneがいい」と考える中高生が多く、iPhoneの人気は続いているだと思います。
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