“NHK受信料”前提文言に、海外利用を一部制限 利用者の声に耳を傾けるのか

» 2025年11月28日 18時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
NHKONE NHK 受信料 日本放送協会(NHK)が10月1日に開始した新たなインターネットサービス「NHK ONE」。「いつでもどこでもあなたのそばに」がコンセプトとなっている。番組の同時配信や見逃し(聴き逃し)配信、ニュースの記事・動画などを、スマートフォン、PC、ネット対応テレビなどに向けて提供する

 10月1日、日本放送協会(NHK)がスタートさせたインターネットサービス「NHK ONE」について、利用者の間で戸惑いの声が広がっている。それまでは無料で閲覧できたニュース記事や天気情報を確認しようとすると、「ご契約の手続きをお願いします」などと受信料の支払い有無を確認するポップアップが表示されるケースがあるためだ。

 「これまで無料だったニュースが急に読めなくなった」「災害情報や天気を調べたいだけなのにメッセージが表示される」との意見がSNSを中心に多数散見される。

 NHKニュースサイト「NHKニュース 速報・最新情報(NHK NEWS WEB)」にアクセスすると、画面下部に「緊急時につき受信契約の必要なくご利用いただけます。通常時でもサービスをご利用になりたい方は下記を確認してください」というメッセージが表示される。災害などの緊急報道では受信契約の有無にかかわらず情報を提供する一方で、平時の利用には受信契約が前提となる仕様だ。

海外からのアクセスは一部制限 理由は「NHK ONEが国内向けサービスであるため」

 10月16日に行われた定例記者会見で、NHKの黒崎めぐみ理事は利用者からの意見について「適宜修正する必要があるものは検討し、改善していく」と説明した。そのうえで海外からの利用に関しては、「NHK ONEが国内向けサービスであるため一部制限がある」ことを明らかにした。

 具体的には、海外から新規登録やログイン、アプリの利用はできない。また、Webサイトにアクセスした場合には「海外からのアクセスについて」というメッセージが表示され、「確認しました」のボタンを押すことで記事など文字情報は閲覧可能だが、同時配信や見逃し配信を含む動画は視聴できない場合があるという。

 黒崎氏は、国際放送の「NHKワールドJAPAN」では英語を含む多言語で外国人向けのコンテンツを提供しており、海外在住の日本人向けには日本語ニュースや情報番組を「NHKワールド・プレミアム」や「NHKワールド・ラジオ日本」で視聴可能であると説明した。

受信料の支払いが前提の仕様に対し、「本当に利用したい人が支払えばいい」の声

 NHK ONEの利用には受信料の支払いが必須となる。地上波契約と同額の月額1100円で、6カ月分の前払いは6309円、12カ月分の前払いは1万2276円が設定されている。これにより、従来の無料閲覧とは異なり、視聴や記事利用の条件として受信料契約を前提とすることが明確になっている。

 NHK受信料の支払いが前提となるNHK ONEの仕様について、ネット上には「本当にNHKの番組を見たり、記事を読んだりしたい人だけが受信料を支払えばいい」との意見や、サブスクリプションサービスのように月額料金を支払えば制限なく番組を自由に視聴できる形を望む声が多く、この仕様に納得できない人がいるようだ。

「引き続き皆さまの声を真摯に受け止めていく」とNHK

 NHKは今回の仕様変更に伴う混乱を認識し、利用者からの意見を受けて改善を進める姿勢を示している。黒崎氏は「いろいろなご意見が今、皆さんから届いているところでして、その中で適宜修正する必要があるものは検討して、改善させていこうと考えて取り組んでいるところ」とし、「引き続き皆さまの声を真摯に受け止めていきたい」と述べており、利便性向上に向けた検討を継続する方向性を示唆した。

NHKONE NHK 受信料 NHKは仕様変更による混乱を認識し、利用者の意見を踏まえ改善を進める姿勢を示した。黒崎氏は「引き続き皆さまの声を真摯に受け止める」としている

 一方で、災害時の情報提供は従来通り受信契約の有無にかかわらず行われるため、緊急時に正確な情報を迅速に届ける体制は維持される。今後は国内向けサービスの利用者にとって、契約手続きと閲覧体験のバランスをどう取るかが課題となる。

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