“妥協なき”エントリースマホ「Nothing Phone (3a) Lite」の戦略 楽天モバイルは3万円台の安さで猛プッシュ:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2026年01月10日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
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楽天モバイルだと3万円台前半、超高コスパモデル投入で存在感を増すNothing

 レッドを日本限定で投入することになったのは、Nothing Phone (3a)で楽天モバイル限定色だったブルーの反響を踏まえてという側面もあるようだ。黒住氏によると、「ブルーを投入したのはアジアだと日本だけで、人気が高かった」という。「この成功もあり、グローバル(本社)と話す中で日本のお客さまにより広く展開できないか」(同)と考えて、限定色の発売に至ったという。

 ここには、「デザイン、質感に妥協してはダメだし、日本のフィーチャーに妥協してもダメだと言ってきた」(同)という日本法人からのフィードバックも生かされている。こうしたNothingの奮闘に応えたのか、楽天モバイルで販売されるNothing Phone (3a) Liteは、メーカー直販モデルよりも1万円近く安い3万2890円に設定されている。

Nothing Phone (3a) Lite 楽天モバイルの価格は一括で3万円台前半。このクラスの端末としては破格の安さだ

 MNPでのキャンペーンでは、楽天ポイントが1万6000ポイント付与されるため、これを適用した際の実質価格は1万6890円まで下がる。Androidはミッドレンジモデルやエントリーモデルが多い楽天モバイルだが、通信料が安いだけに、価格に対してセンシティブなユーザーも多い。どちらかといえば若年層が厚いため、3万円台前半まで本体価格を引き下げることで、売れ筋の1台になる可能性は高そうだ。

 こうした販売方法を取るためか、Nothing Phone (3a) Liteは、販路も他のモデルより限定されている。現時点で取り扱い先として上がっているのは、Nothingの自社販売と楽天モバイルのみ。家電量販店やMVNO、楽天モバイル以外の大手キャリアでは販売されない。ECも自社販路と楽天市場の楽天モバイル店のみ。オープンマーケット版として取り扱うものの、価格差もあるため、ほぼ楽天モバイル限定に近い形だ。

Nothing Phone (3a) Lite これまでのモデルと比べ、販路も限定されている。より楽天モバイル専用色が強く、そのぶん販売に注力していることが分かる

 黒住氏も、「日本においてはキャリアのチャネルが大きいことは否めない。販売数量や展示される物理的なタッチポイントとしても大きい」といい、楽天モバイルの販売力に期待をのぞかせる。Nothingは、コミュニティーメンバーなどのファンを集めた先行販売などのイベントを実施することでおなじみだが、今回は楽天モバイルと共同で1月10日、11日の2日間に渡って開催。会場では、楽天モバイルの契約も可能になるという。

Nothing Phone (3a) Lite 10日、11日には先行販売イベントも開催。楽天モバイル回線の契約もできるという

 イベント開催からは、熱量の高いNothingのファンを取り込もうとする楽天モバイルの考えも伝わってくる。2025年12月25日に1000万回線を突破したばかりの楽天モバイルだが、ユーザー獲得の手綱は緩めていないようだ。Nothing Phone (3a) Liteはこれまで以上にコストパフォーマンスの高い端末に仕上がっているだけに、楽天モバイルの中で同シリーズの存在感がさらに高まっていくことは間違いない。

モバイル業界の過去、現在、未来が分かる「通信ビジネス」販売中

 石野純也氏の著書「通信ビジネス」がクロスメディア・パブリッシングから販売されている。本書では、AppleやGoogleなどのプラットフォーマー、端末メーカー、そしてキャリアを取り巻くビジネスモデルの変遷を読み解くことができる。めまぐるしく変化するモバイル業界を整理して理解するのに最適な一冊といえる。価格は1848円で、Kindle版が1760円だ。


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