アウトカメラは5000万画素メインカメラに800万画素超広角(視野角119.5度)、200万画素マクロで構成され、インカメラは1600万画素だ。メインカメラのセンサーサイズは1/1.57型で、この価格帯では大きめにあたる。フラグシップのPhone (3)で導入されたTrueLens Engine 4.0による画像処理も受け継いでいる。
日中の風景や料理の撮影では、色味が自然で十分に使える。夕焼けのグラデーションもつぶれずに描写でき、エントリー機としては上々の仕上がりだった。ナイトモードも用意されており、バルセロナの夜景を撮った際は建物のディテールがしっかり残った。ただし暗所での手持ち撮影ではブレが出やすく、三脚なしの夜景撮影には限界がある。
マクロカメラも備えている。黒住氏によると「全般としてマクロのニーズが高かった」ため、エントリーモデルでもあえて搭載したという。マクロモードでは最短4センチまで寄れて、葉の表面のテクスチャーを拾える程度には撮れるが、最短距離付近ではピント合わせがやや不安定だった。ただ、通常撮影モードでもマクロの恩恵を得られる料理やアクセサリーを撮る場面では15センチ程度で解像感を保っており、SNSでアップしたいシーンでの撮影には十分に使える。
Geekbench 6のスコアはシングルコア1006、マルチコア2975だった。2〜3年前のミッドレンジ機に近い水準で、SNSの閲覧や動画視聴、Webブラウジングではもたつきを感じない。一方、3DMark Wild Lifeのスコアは3165で平均フレームレートは18.95fps。3Dゲームを快適に遊ぶには力不足だ。ゲーム用途を重視するなら上位モデルか他社のゲーミング寄りの端末を選んだ方がいい。3万円という価格を考えれば、数年使って買い替えるサイクルに合った端末だろう。
5000mAhのバッテリーで日常使いは問題ない。公称値ではYouTube再生最大22時間、連続通話最大47時間とされている。33W急速充電に対応し、約20分で50%まで充電できる。ワイヤレス充電には非対応だが、5Wのリバース給電には対応しており、ワイヤレスイヤフォンなどを充電できる。
テザリングで1日つなぎっぱなしにすると夕方には厳しくなるが、この価格帯の端末にそこまで求めるのは酷だろう。5G(Sub6)対応でミリ波は非対応。通信品質に不満はなかった。
3万円台のエントリー機でおサイフケータイに対応している点は見逃せない。モバイルSuicaやiD、QUICPayといった非接触決済をそのまま使えるため、メイン端末としての実用性が確保されている。eSIMにも対応しており、物理SIMとの併用で回線を使い分けることもできる。microSDスロットも備えており、写真や動画の保存容量を気にせず使える。日本市場で求められる「当たり前の機能」をエントリー価格でそろえたのは、Nothingが日本を重要市場と位置付けている証でもある。
正直に書くと、Nothing Phone (3a) Liteにしかできないことはほとんどない。Essential Spaceはよくできたアプリだが、メモとしては他のアプリでも代替できる。カメラにも上位互換が無数にある。Glyphライトは必要十分だが、上位モデルほどの視覚的なインパクトはない。
だが、3万円でこのデザインと質感を手にできるスマホは他にない。レコードをジャケットの見た目で選ぶように、店頭で見かけたら思わず手に取りたくなる端末だ。スペック表の数値で選ぶのではなく、手に持ったときの心地よさや、ホーム画面を開いたときの統一感で「欲しい」と思わせる力がある。おサイフケータイやeSIMといった実用面も押さえており、価格を考えれば、そのワクワク感と合わせて十分に買う理由がある。
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