楽天モバイルとのローミング協定が2026年9月に7年の期限を迎える。松田氏は「楽天のエリアも全国に広がっており、当初の役割は終えた」と述べた。auユーザーへの影響回避が大前提だが、楽天モバイル契約者のKDDI網への通信量が当初想定を上回っている状況だ。本来は楽天の人口カバーを補完する目的で開放したものだとし、楽天が自前でエリア構築を進めた地域では順次ローミング提供を終了する。
松田氏は楽天に対し「MNOとしてしっかりエリアを作っていただきたい」と要望した一方で、楽天ユーザーが困った場合は、auの副回線やpovoでの支援を検討するとも付け加えた。
KDDIは、ベトナム最大手の通信キャリアVNPTに対し、povoで培ったトッピング型プラン(基本料金にデータや通話などのオプションを自由に組み合わせる方式)のノウハウを提供する。VNPTがpovoのモデルを取り入れたサブブランドを立ち上げ、2026年内のサービス開始を目指す。プリペイドが主流の同市場でポストペイドへの転換を促す狙いだ。
松田氏は「povoのプリペイド的なよさを生かしたモデルが適している」と説明した。日本のノウハウを海外にコンサルティング形式で「コト輸出」する取り組みで、他の新興国への展開可能性も探る。
ビッグローブ子会社で発覚した架空循環取引を受け、KDDIは6月1日付で「ガバナンス推進本部」を新設する。CFO(最高財務責任者)の最勝寺奈苗専務が本部長を兼任し、これまで分散していた財務グループとガバナンスリスクマネジメント部門を統合する。財務とガバナンスリスクの情報を一元的に集約し、効率的な管理を目指す。事業部門にも子会社管理を担う部門を新たに設ける。
架空循環取引については3月31日に既に特別調査委員会の報告書が公表されており、売上高累計2461億円の訂正と、松田氏を含む経営陣8人の役員報酬返納、ビッグローブとジー・プラン社長らの辞任が決まっている。松田氏は決算会見で「社会的信頼を損なう点で大きな課題だった。グループ全体で再発防止策を打ち、信頼回復に努める」と改めて述べた。
2027年3月期は売上高6兆4100億円(前期比5.6%増)、調整後営業利益1兆2100億円(同5.0%増)、調整後当期利益7310億円(同2.7%増)を見込む。ブランドスローガンも「Tomorrow, Together」から「Spark Your Journey」へ刷新する。
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