インスタントは「日常の一コマを友達と気軽に共有する方法」として設計されています。Instagramと連携する単独アプリとしては、テキストSNS「Threads(スレッズ)」に続く2つ目のプロダクトとなります。
「今をシェアする」という観点では、既存の「ストーリーズ」と機能が重複するようにも見えます。しかし、加工済みの写真や動画を投稿できるストーリーズに対し、インスタントはアプリ内のカメラで今撮影した写真しか共有できません。BeRealのように、誰もが飾らないリアルを平等に共有する仕組みです。
また、共有された写真は一度閲覧すると消滅し、友人たちが後から見返すことはできません。これは「Snapchat」の人気機能「スナップ(Snap)」に類似した仕様です。自分の投稿をじっくり見返される心配がないため、より気兼ねなく投稿できます。
さらに、スクリーンショットや画面録画も制限されています。昨今、BeRealをきっかけとした社内情報の流出や不適切投稿(バイトテロ)が問題視されていますが、こうしたトラブルのリスクを低減する狙いがあるようです。ただし、画面を別のスマートフォンなどのカメラで物理的に撮影することは防げないため、完全な流出防止策ではない点には留意が必要です。
10代の利用に関しては、Instagramの保護機能「ティーンアカウント」やペアレンタルコントロールの設定が自動的に適用されます。具体的には、利用時間の制限や深夜帯の通知ミュートといった、安全性を高める措置が講じられます。
実際にインスタントを試したところ、いわば「BeRealとSnapchatの利点を掛け合わせ、さらに安全性を高めた機能」という印象を受けました。
クローズドな空間で無加工の日常をシェアするSNSがZ世代に支持されている現状を、Instagram側が巧みに捉えて開発した新機能と言えます。ストーリーズの投稿があふれる現在、たとえ公開範囲を絞っても、本当に届けたい相手に見てもらえるとは限りません。その点、DM画面の上部に直接表示されるインスタントは視認性が高く、より確実で気楽な交流を可能にしています。
投稿が自分だけのアーカイブとして蓄積されていく点も、若年層に響くポイントでしょう。彼らはBeRealを日記帳のようなライフログとして活用することに価値を見いだしています。
最近トレンドとなっている「setlog」も、自分専用、あるいは友人と共同でVlogを残せる点が人気を博しています。飾らない日常の記録だからこそ、後から振り返ったときの面白さが際立つのです。
現在、インスタントの単独アプリはApp Storeの無料ランキングで3位にランクインしています。Google Playストアではまだ上位に入っていないものの、Instagram内の新機能としてすでに親しんでいるユーザーも多いはずです。今後、彼らの日常にどこまで定着していくのか、その動向に注目が集まります。
余談ですが、筆者のThreadsのトレンドには「インスタ新機能に誤爆の懸念」というワードが入っていました。通常のアプリ利用中に誤ってインスタントを起動(誤タップ)してしまうのを防ぐため、DM画面での表示をオフにする設定が早速拡散されています。
非表示にするには、Instagramのプロフィールからメニューを開き、「コンテンツ設定」内にある「受信箱でインスタントを非表示にする」をオンにするだけです。誤爆を気にせず安心して使いたい場合は、この設定を済ませた上で、単独アプリ側でインスタントを楽しむのが賢い選択と言えそうです。
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