用事を済ませ、午後7時45分にバッテリー残量100%で大阪市内を出発した。工事によるちょっとした迂回(うかい)もあり、約5時間後の午前0時20分に往路でも立ち寄った遠州森町のテスラスーパーチャージャーに到着した。
新東名高速道路沿いには複数のテスラスーパーチャージャーが設置されているが、遠州森町を選んだ理由は、遠州森町PAに徒歩移動できるほど隣接しており、スマートICを降りてからすぐにたどり着けるためだ。
場所によってはテスラスーパーチャージャーが高速道路の出口から離れており、移動に余計な時間がかかる場合もある。テスラで東京〜大阪間を移動するなら、遠州森町が定番スポットになっている。
本当はPA内にテスラが採用している充電規格「NACS」対応の充電器や、NACSを日本のCHAdeMO規格に接続できるテスラ公式の変換アダプター(発売日未定)が普及すれば、高速を降りずに充電できるのだが……。こうした事情によって、EVはテスラ一択ではなく他社も検討の価値が出てくる……が、長くなるので、本記事では割愛する。
遠州森町のテスラスーパーチャージャーに到着した際のバッテリー残量は34%だった。ここでは11分間の充電で70%まで回復した。料金は1176円だった。往路の5分に比べると数字上は長く感じるが、トイレ休憩やコンビニで買い物を済ませていると、あっという間に過ぎ去る時間で、「待った」という感覚は一切なかった。
ちなみに、復路もテスラスーパーチャージャーによる経路充電は最小限に抑えた。なるべく電気代が安価な自宅で充電を行いたいからだ。つまり、自宅にはなるべくバッテリー切れギリギリで到着したいのだが、今回もナビ設定時に、希望する到着時のバッテリー残量を設定することで、最低限必要な経路充電の時間を勝手に計算して案内してくれた。ルートや充電の計画を自ら組み立てる必要がほとんどない。
午前0時40分に遠州森町のテスラスーパーチャージャーを出発し、約30分後の午前1時10分には静岡SAに到着した。バッテリー残量は62%を示していた。深夜のロングドライブによる疲労を考慮し、ここで4時間弱の仮眠をとった。
ここでEVならではのメリットが、エンジンの始動なくエアコンを存分に使えることだ。アイドリングの騒音や排気ガス、ガソリン消費を気にする必要がないため、車中泊を行うユーザーにとって絶大な強みとなる。筆者はこうしたガソリン車にはできない機能性にEVの大きな魅力を感じており、車の使い方が変わると実感している。
ちなみにエアコンを稼働させたまま約4時間の仮眠をとったところ、バッテリー残量は62%→61%となった(夏場〜冬場の場合は同条件で最大8%程度の消費になるようだ)。
その後、中央道経由、一般道を経て、午前7時35分に都内の自宅へ帰宅した。バッテリー残量は13%で、そこから基礎充電で出発時と同じ100%まで充電した。電気代は約1800円だ。
あらためてデータを見返してみると、総走行距離1035kmに対して、総消費電力量は138kWhだった。これを平均電費に換算すると、1kmの移動に使われた電力は133.3Wh(約7.5km/kWh)ということになる。
今回の行程で発生した充電の費用は以下の通りだ。
仮に大阪の駐車場で目的地充電ができず、テスラスーパーチャージャーを利用していたとしても、計5300〜6500円程度に収まる見立てとなる。これは、ガソリン車の同クラスSUV(燃費約15km/L想定)と比較して、燃料コストを半分から3分の2程度に抑えられた計算だ。
今回、試しに東京〜大阪間を往復してみて「EVだから困った」ということに遭遇することはなく、充電網が充実している都市間の移動に限っては不安に思うことはなかった。
むしろ困ることがなさすぎて、さらに長距離や地方遠征といったレアケースで検証しないと意味がないと感じた。これはつまり、大多数の人にとってEVで困ることはないという左証でもある。
また、テスラに限った話でいえば、スーパーチャージャー網はまだまだ不十分だ。設置マップを見てみると、東京〜大阪間はいいとして、東北に目を向けるとかなり設置場所が限られている。高速道路で移動するだけならいいが、現地で動き回るなら不安しかない。先ほども挙げた新しい“CHAdeMOアダプター”の発売が決定しないと、地方在住者はテスラを選べないし、ユーザーとして勧めることもできない。
筆者の中では、自宅で充電できるかどうかがEVの使い勝手を大きく左右するという考えが今もある。それは充電に足を運ぶ時間的な制約だけでなく、外部充電器は自宅充電と比べて電気代が割高であり、税制優遇などを考慮してもガソリン車に対するコスト面での優位性が薄れてしまうからだ。
仮に集合住宅などに住んでいて充電器がないという場合、EVならではのメリットを見いだして納得しているならいいが、そうでないならハイブリッドやPHEVといったICE(内燃機関)車の選択肢も大いに有意義だ。逆に自宅に充電器を設置できて、補助金が潤沢に出る地域に住んでいるなら検討しない手はない。
ちなみに筆者は圧倒的な先進性/機能性やデザインに魅力を感じてModel Yを選択したが、輸入車ならではの“癖”も強いので人を選ぶ車種だ。
2026年に入ってから他社EVの魅力も高まってきているので、さまざまな選択肢を検討したいところ。ちなみに筆者はファーストカーとしてEVに満足しているため、次はセカンドカーとして快適性を度外視した“ガソリン臭くて音がいっぱい出るクルマ”が欲しくなってしまっている……。
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