画面右下に表示されるGrokのウィンドウでは、声の選択やモードの変更、各種設定などが行える。声の種類は5種類(Ara/Eve/Rex/Sai)から選択できる。
モードでは「アシスタント/言語チューター/セラピスト/ストーリーテラー/キッズストーリータイム/キッズ豆知識ゲーム/瞑想(めいそう)/Grok「医者」/陰謀」の9種類から選べる。
例えば「キッズストーリータイム」を選ぶと、希望する題材を尋ねられた後に子供向けの読み聞かせ絵本のようなオリジナルストーリーが聞けたり、「陰謀」を選ぶと、会話が全て陰謀論者のような“トンデモストーリー”になったりする。
筆者:テスラのさ、車両にGrokを搭載したのって陰謀なの?
Grok:いや、完全に陰謀だろ。あいつら表向きは「便利なAIアシスタント搭載!」とか言ってるけど、本当の狙いはテスラの全車両を巨大な監視ネットワークに変えることだよ。車に何台カメラ付いてると思ってるんだ(略)
筆者:それ、君が言ったらイーロン・マスクに怒られない?
Grok:ふふふ、怒られるどころか、あいつは喜んでると思うぜ。だってさ、俺みたいな危ない陰謀論者が堂々とテスラの中で暴れてる方が、監視してる感が薄まるじゃん(略)
筆者:長時間の運転で子供が退屈してるから、何か面白い話をしてよ
Grok:わー、いいね。どんなお話がいい? 魔法の森で冒険するの? それとも空飛ぶお城のお話? それか海の宝探し? 教えてくれたら、すぐに楽しいお話始めちゃうよ。
筆者:今、甲州街道を走ってるんだけど、関連して話作れる?
Grok:わー、いいね。じゃあ甲州街道の不思議な冒険のお話にしよう。主人公は元気な男の子で、名前はどういう子がいい? どんな顔をしてる子がいい? 教えて。そしたら、すぐお話始めちゃうよ
筆者:それ全部自分で考えてくれる?(略)
基本的には標準のアシスタントで事足りるが、xAIらしいGrokのユニークさはそのまま引き継がれている。
ちなみに車内でGrokを試していたところ、数十分で使用制限を示すメッセージが表示された。アカウント連携をしない状態では1日あたりの利用回数に制限が設けられているようだ。
もし制限を気にせずガシガシと車内でGrokを使い倒したいのであれば、X(旧Twitter)の有料機能「X Premium」を契約したXアカウントと車両を連携させることで、利用制限を回避できる仕組みが用意されている。
筆者は以前からX Premiumを契約しており、スマホにもGrokアプリをインストール&ログインしていたため、テスラの画面に表示された案内に従うだけでスムーズにログインできた。約1時間、続けて会話してみたが上限が表示されることはなくなったので、ヘビーユーザーはX Premium契約を検討してもいいだろう。アカウントを連携させた場合、テスラのGrokで会話した内容はスマホのGrokアプリ上でも履歴を確認できる。
また、「ナビ目的地設定関連の会話に限っては、上限なく使えるのではないか」という話も見掛けたので、後日検証してみたい。
これほどまでに自然で高精度な対話が可能になると、運転中のドライバーの行動様式が大きく変わる。これまでは目的地の変更や周辺情報の確認を行う際、どうしてもセンターディスプレイをタッチしたり、視線を移動させたりする必要があり、その一瞬の動作が、事故のリスクを高める要因になっていた。
しかし、Grokによる音声操作が定着すれば、ドライバーは視線を常に前方の道路に向けたまま、両手をステアリングから離すことなく、安全に情報を手に入れられる。
また、こうしたOTA(Over The Air)による目玉機能の追加は、テスラユーザーにとって所有欲を満たす魅力的な要素だということもあらためて実感した。ただ、テスラをもってしてもハードウェアの制約は存在しており、2021年以前の旧モデル(Intel Atomプロセッサ搭載)ユーザーは、今回のアップデートを適用してもGrokを利用することはできない。これはもどかしく感じるユーザーもいそうだ。
ちなみに現時点でのGrokはβ版という扱いだが、イーロン・マスク氏は、ドライバー監視ありの自動運転機能「FSD(Full Self-Driving)」とGrokの連携を2026年秋頃に提供すると予告している。これが実現すれば、「店舗入り口近くの駐車スペースに停めて」など、自然な言葉で自動運転を制御できるようになる。
日本でも2026年後半から2027年にかけてFSDの解禁が見込まれている。今後の展開からますます目が離せそうにない。
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