BTO対応のコンボドライブ搭載B5ファイルサイズノート――エプソンダイレクト Endeavor NT330(4/4 ページ)

» 2004年02月02日 16時57分 公開
[河野寿,ITmedia]
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パフォーマンスはベースモデルのNT300とほぼ同等

 ベンチマークテストの結果を以下に述べる。いずれも、3回測定してその平均値を取ったものである。

 PC Mark2002 ProのCPUスコア
 PCMark2002のメモリスコア
 PCMark2002のHDDスコア
 3DMark2001SEの3Dスコア
※1024×768ピクセル、32ビットカラーで計測

 PC UPDateにおける過去のNT300のレビューと比較してみると、全体にNT300より劣る結果となっている。しかし、NT300のレビュー機に搭載されていたCPUはPentium M/1.7GHzであり、今回のNT330のレビュー機に搭載されているPentium M/1.4GHzとのクロック差を勘案すれば、まずは妥当なところであろうか。CPU性能とあまり関係のないHDDスコアはほぼ同等の値になっている。

 一方、3Dグラフィックス性能に関しては、Intel 855GMEチップセットの内蔵グラフィックス機能を使っているため、さほど期待はできない。855GMEは855GMよりもメモリまわりの性能が改善されているというが、グラフィックスカードを搭載したデスクトップPCなどと比べると、ベンチマークテスト結果ははるかに低いものとなった。もちろん、最新の3Dグラフィックスゲームをプレイするようなタイプのマシンではないので、あまり気にすることもないだろう。

 次に、バッテリーの持続時間を計ってみた。やや大きめとはいえ、携帯性が重要視されるサイズのノートPCとしては、NT330のバッテリー駆動時間は長くはないようだ。

 光学ドライブを搭載したモデルなので、DVD-Videoをフルスクリーンで連続再生をしてみたところ、1時間45分でシャットダウンした(付属していたバッテリーは軽量バッテリー)。カタログによると、Pentium M搭載機に軽量バッテリーを使用した時の動作時間は2.3時間、長時間バッテリーの使用時で4.8時間となっている(いずれもJEITAバッテリー動作時間測定法による)。これは、光学ドライブを搭載していないNT300よりもわずかだけ(前者で0.1時間、後者で0.2時間)短い。いずれにせよ、可搬タイプのノートPCとしては(そしてPentium M搭載機としては)、ややバッテリー性能が振るわないように思う。

搭載ソフトウェアは最小限

 BTO製品の常として、同梱するソフトウェアは多くはない。もちろん、同梱ソフトが多いから優秀というわけではないのだが、いろいろおまけが付いていると正直嬉しいものだ。

 NT330は、Windows XPなどのOSのほかは、「WinDVD 5」や「B's Recorder Gold PE」のような必須ユーティリティが付属している程度だ。最近の傾向なのか、パケットライティングソフトも付属していない。もっとも、OSの標準機能でも追加記録はできるので、あえて付属する必要性はないかもしれない。

 このほかには、ネットワーク環境を切り換えるための「BB de!!スマートモバイル」や、画面に表示された文字を拡大/縮小する「Liquid View/Liquid Surf」など、いくつかのツールが付属している程度である。とはいえ、少ないながらも実用的な価値が高いものを付けているのは評価したい。

 必要なソフトウェアはあとから導入すればいいが、「Microsoft Office」のように、ユーザーがあとから購入するとかなり割高になるソフトウェアもある。この点NT330は、購入時にオプションソフトウェアとして選べるのがありがたい。Officeに関しては選択肢が充実していて、「Office Personal Edition 2003」(1万8000円)、「Office Standard Edition 2003」(3万9000円)、「Office Professional Edition 2003」(4万5000円)、「Office XP Professional」(4万6000円)の4種類から選択可能だ。

 本当な必要なソフトウェア以外はまったくといっていいほど付いていない。しかしこれは、そういうマシンなのだと理解すれば、かえって清々しいような気さえする。

 試用したマシンのHDDは37.2Gバイト(1Gを10の9乗として計算すると約40Gバイト)で、Officeなどは付いていないモデルだったが、このうちの空き容量は34.4Gバイト(同じく36.9Gバイト)と広大である。これも、インストールされたソフトが少ないことのメリットといえるだろう。

思い通りの携帯ノートPCを作りたい人に

 NT330は、“すべてお任せ”のマシンというよりは、“こういうマシンが欲しい”という意志をはっきり持った人にぴったりのマシンである。

 もっとも安い構成は12万8000円から。これを無線LAN搭載モデルに変更し、HDDを40Gバイトに変えても14万円ちょうどなので、コストパフォーマンスはかなりよい。半面、このサイズのノートPCに期待される可搬性やバッテリーの持続時間という点では、少々辛い点を付けざるを得ないのが残念なところだ。

 しかし、コストパフォーマンスと素性は非常によいマシンなので、上記のようなマイナス点があまり気にならない人であればお勧めといえるだろう。

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