マイクロソフトは7月9日、2008年度(2007年7月1日〜2008年6月30日)の経営方針記者会見を都内で開催した。会見では、同社代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏および同社代表執行役兼COO兼ゼネラルビジネス担当の樋口泰行氏が、2008年度の事業計画を語った。
まずはヒューストン氏が、同社の日本市場向け3カ年計画である「Plan-J」について「多くの地方自治体、教育機関、NPOとの密接なパートナーシップ、それにともなう支店の拡大、製品群のローカライズなどにより、日本市場に合った事業を展開してきた」と進展ぶりをアピールした。
Plan-Jは今年で3年めを迎えるが、「Plan-Jの立ち上げ当初に比べて、パートナーシップの強化、顧客満足度の大幅な向上は果せたが、より高い信頼性や生産性に対する要望、教育現場にどのようにITを持ち込むかなどの課題はある」としたうえで、2008年度は「デジタルワークスタイル」と「デジタルライフスタイル」の2つのエンジンで、事業を推進していくという。
デジタルワークスタイルは樋口氏が担当する分野となる。ヒューストン氏は日本のデジタルワークスタイルは「欧米から3〜5年遅れている」と指摘したが、樋口氏は「今年度はWindows Server 2008、SQL Server 2008、Visual Studio 2008など、Windows Vistaと連携してセキュアで強力な環境をもたらす製品の登場により、ITテクノロジーが生産性を向上する」と説明した。
さらに同氏は、製品の品質をより向上させるため、新たに品質担当責任者を設けることを明らかにした。品質担当責任者を設けることで国内製品の品質における責任の所在を明確化し、同社内の各組織を横断的に見て、国内製品で不具合が出た場合の対応とフィードバックを高速化するなど、全体的な品質向上を目指す。この取り組みにより、大手金融機関をはじめとするミッションクリティカルなシステムでの採用も拡大する狙いだ。
デジタルライフスタイルに関しては、ヒューストン氏が説明。「ビジネスワークスタイルとは反対に、この分野では日本が欧米より3〜5年進んでいることから、日本市場での経験を世界市場へ伝えることが重要」と日本市場を評価した。国内の施策については、「家庭においてWindows Vistaを中心にさまざまなデバイスが相互接続できるエクスペリエンスを提供しつつ、MSN、Liveといったサービスやソフトウェアの強化、Windows MobileやXbox 360の販売拡大、そしてコンシューマー分野へのさらなる投資を行う」とのこと。
さらにヒューストン氏は「マイクロソフトはWeb 1.0世代と言われるが、リッチなWebサービスを容易に構築できるインターネット技術開発に積極的だ」と述べ、アドビシステムズのFlashに対抗するWebサービスプラットフォーム技術として開発中の「Silverlight」を用いたデモも実施した。
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