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» 2007年09月20日 08時30分 公開

定番DVD作成ソフトはBD/HD DVD時代でも健在か?――「DVD MovieWriter 6」を試すAVCHDディスクも作成可能(3/3 ページ)

[都築航一,ITmedia]
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ステップ3――光ディスクへの保存

ディスク保存を行なうダイアログ。ディスクへの書き込みを後回しにして、HDDにファイル保存したり、イメージファイル(独自形式)として保存することも可能だ

 素材を集め、メニュー画面を作成したら、最後に光ディスクに書き込むステップへと移る。作成するディスクの種類を途中で変更することはできないが、1層メディア/2層メディアの切り替えや、8センチDVD/12センチDVDの切り替え、それにエンコード設定の変更は、画面下部のメニューからいつでも行なえる。BDやHD DVDの作成時も、1層と2層メディアの両方が利用可能だ。また、これらの設定変更により、ディスク1枚に収録できるデータ容量や時間の長さも常に確認できる。

 設定を完了して「書き込み」ボタンを押すと、メニュー画面と本編のエンコード、ディスクへの書き込みが自動で行なわれる。HD映像のディスク作成時はエンコードにかかる時間が長くなるが、作成が完了したらPCの電源を切る設定が用意されているのは親切だ。エンコードにかかる時間だが、CPUがPentium D 820(2.8GHz)、メモリ容量が2GバイトのWindows Vista Home Premium環境で、キヤノンのiVIS HG10で撮影したデータ(約10分半ほど)を1920×1080ドットに再エンコードしてBD-MVに書き出したところ、約2時間半かかった。

 ディスク保存の機能では、HD DVD-Video形式のデータを通常の12センチDVDに書き込めるHD DVD on DVDが大きな特徴だ。この機能を使うことで、12センチの1層DVDメディアに20分程度のHD映像(MPEG-2、29.4Mbpsの場合)を記録できる。記録型HD DVDドライブは東芝の「Qosmio G」シリーズなど一部のノートPCに搭載されているものを除き、製品化されていないため、現時点でとりあえずDVDメディアに保存できる意味は大きい。ただし、HD DVDの規格に含まれない独自形式のため、同社のソフト「WinDVD 8 Platinum」以外での再生は保証されない。

 今回、HD DVD on DVD機能を試した限りでは、アドバンストメニューで作成したDVDディスクはうまく動作しなかったが、通常のメニューで作成したディスクはWinDVD 8 Platinumに加えて、サイバーリンクの「PowerDVD7 Vistaハイビジョンシアター」でもHD DVDと認識され、問題なく再生できた。

エンコード設定の変更は画面下端のボタンで呼び出す。映像コーデックは変更できないが、ビットレートや解像度、音声の圧縮設定は変更可能だ

 映像のコーデックについては、BDやHD DVDの場合、規格自体がMPEG-2、VC-1、MPEG-4 AVC/H.264と3種類をサポートしているが、DMW6ではユーザーがコーデックを選択できず、AVCHDディスクを作成する場合と、すべての素材がAVCHDビデオカメラのデータである場合はMPEG-4 AVC/H.264、それ以外の場合はMPEG-2でエンコードされる。

 なお、先に述べたように、エンコード設定と素材の設定値が一致していれば、再エンコードの範囲を最小限に抑えるスマートレンダリングが自動で働くが、ユーザーがエンコードの設定値を変更する場合、MPEG-4 AVC/H.264は最大で1920×1080ドット/18Mbpsまで、MPEG-2は同じく1920×1080ドット/60Mbps(BD)もしくは29.4Mbps(HD DVD)までの設定が可能だ。

 ディスク保存がDMW6の基本だが、おまけ的な機能として、AVI、MPEG、MOV、WMV(1440×1080/1280×720、29.97fps)の各形式でファイル出力する機能も持つ。HDVカメラについては素材の取り込みが可能な一方、HDV形式でテープに書き戻すことはできない。

 そのほか、ディスクのレーベル面やケースのラベル、封入するブックレットなどの印刷を行なうためのユーティリティ「Ulead Label@Once」が用意されている。

現時点で決定版と呼べるほどの完成度

ディスクのレーベル面作成機能も持つ

 DMW6は、HD映像をディスクに保存する手段の充実ぶりでは、現時点で決定版と言えるほどの魅力を備えたオーサリングソフトだ。進化の余地はあるものの、HD DVD-Videoのポップアップメニューを作成できる機能はDVD-Videoオーサリングの一歩先を行っており、高く評価したい。

 また、BDおよびHD DVDの記録型ドライブやメディアはまだまだ高価なことから、導入に踏み切れないユーザーに対して、AVCHDディスクやHD DVD on DVDという形で、HDでのディスク保存の手段を提供しているのも好印象だ。とくにAVCHDディスクは、プレイステーション 3や一部のBDレコーダーなどで再生できるため、環境によっては現時点でも十分活用できるだろう。

 もっとも、HDVカメラの映像をディスクに保存したいというのならともかく、8センチDVDやメモリカードなどに記録したAVCHDビデオカメラの映像を、単に12センチDVDに保存し直すだけなら、実はビデオカメラ付属のユーティリティで事足りる。それに、本製品のAVCHD編集の機能そのものは限定的で、ビデオカメラ付属のユーティリティと大差ない。しかも、本製品で8センチDVDに書き込んだAVCHD形式の映像は、DVD記録のAVCHDビデオカメラを持っていても、再生はサポートされない。

 とはいえ、見栄えのするメニュー画面を手軽に作成できるという点で、本製品はこうした弱点を補えるだけのインパクトを持っている。また、上級ユーザーの中には、AVCHD形式以外の映像データも含め、編集済みの映像を(ディスクへの保存が必須とはいうものの)AVCHD形式で出力できる点に注目しているユーザーもいることだろう。

 価格面での負担は少ないため、記録型BDドライブのユーザーはもちろん、まだBDやHD DVDのドライブは持っていないけれど、HDビデオカメラの映像をオーサリングして活用したいというユーザーにも、一見の価値があるソフトだ。気になったら、まずは同社のWebページから15日間無料で使える体験版(機能制限あり)を入手して試してみるとよいだろう。

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