“T”の存在意義をどこに見出すか──松下電器産業「Let'snote LIGHT CF-T7」(3/3 ページ)

» 2007年09月27日 21時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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パフォーマンスが向上したが、バッテリー駆動時間に悩む

CF-T7で行ったWindowsエクスペリエンスインデックス

 ファンが導入されたことで、CF-T7の電源管理とパフォーマンス設定にもファンの回転数が設定項目として登場する。新たに導入された「ファン制御ユーティリティ」では、ファンの動作モードを「標準」「高速」「低速」といった3種類から選択できるが、これは、筐体内の温度で変化するファンの回転速度を速くするか(高速モード)、遅くするか(低速モード)にシフトするだけで、具体的な回転数やファンの完全停止は設定できない。実際に、低速モードに設定して空調が動いていない静かな部屋で使用してみたところ、回転するファンの音は十分聞こえてくる状況だった。回転数が変化するだけに、どうしても音が気になってしまう。

 開発スタッフが「従来から40%向上しました」と語る3D性能は、その比較対象がIntel GMA 950であるので、ディスクリートGPUのような3Dパフォーマンスは望めない。それでもWindowsロゴが従来のVista BasicからVista Premiumに変わっているので、Windows Aeroの動作は「保証された」と考えてよい(ただし、標準のオンボードメモリ1Gバイトの構成ではシングルチャネルで動作していることに注意したい)。

 CF-T7では、電源管理モードとして「パナソニックの電源管理」「省電力モード」「高パフォーマンスモード」がアイコントレイからすぐに選択できるように用意されている。それぞれのモードでベンチマークテストを行った結果を参考までに掲げておく。CPU-Zの表示をチェックしている限り、省電力モードではCPUの動作クロックは800MHzに抑えられている一方で、高パフォーマンスとPanasonicモードではベンチマークテストが走っている限り1066MHzを維持していた。

パナソニックの電源管理 省電力モード 高パフォーマンス
PCMark05 PCMarks 2329 1927 2381
PCMark05 PixelShader 12.6 11.8 12.7
PCMark05 VideoEncoding 190 142 189.6
PCMark05 Image Decompression 14.2 11.1 14.3
PCMark05 HDD VirusScan 19.5 15.1 16.5
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 High 1106 869 1093
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 Low 1616 1202 1614

 気になる消費電力は、アイドル状態で液晶ディスプレイの輝度を「最低輝度」「中輝度」「最高輝度」のそれぞれに設定したときにおけるシステム全体の消費電力をユーティリティソフト「YbInfo」でチェックしたほかに、ファン制御コントローラの設定と電源管理モード設定の組み合わを「ファン制御コントローラ=低速&省電力モード」「ファン制御コントローラ=高速&高パフォーマンスモード」のそれぞれで、PCMark05の「Multithreded Test 3」を実行している最中のシステム消費電力を、こちらもYbInfoでチェックした。

電力管理モード システム全体の消費電力
アイドル&高輝度(20レベル/20段階) 9050mw
アイドル&中輝度(10レベル/20段階) 5090mw
アイドル&最低輝度(1レベル/20段階) 4840mw
省電力モード&低速&PCMark05 Multithreaded Test3 14950mw
高パフォーマンス&高速&PCMark05 Multithreaded Test3 18870mw

 カタログスペックで12時間を超え、実利用でも日中ずっとACなしで運用してもバッテリーが残っている“T”シリーズは、バッテリー駆動時間を重視する携帯ノートPCユーザーにとって“唯一無比”の選択肢であった。CF-T7では、“T”の存在意義ともいうべきバッテリー駆動時間を捨てて、“Santa Rosa”という最新のプラットフォームとパフォーマンス、そして堅牢性能と軽量化を手に入れたことになる。

 従来モデルで行っていた「軽量バッテリーキャンペーン」が好評だったことを考えると、多くのノートPCユーザーにとって、12時間を越えるバッテリー駆動時間はオーバースペックであって、それよりも軽量化を望んでいたことは理解できる。バッテリー駆動時間よりも軽量化と最新プラットフォームを優先したCF-T7の進化は、市場のニーズを的確に反映しなければならない商品企画の方向として妥当なものであろう。“W”に対する“T”の差別ポイントとして、法人需要に支持されている「価格の安さ」も残っている。

 古くからの“T”シリーズ支持者としては、なかなか納得しがたいというのが、正直な気持ちであるが、ビジネスユーザーのための携帯ノートPC市場が求める方向性としては、CF-T7は、正しく進化したと評価すべきなのだろう。

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