かつてCPUが68KシリーズのCISCチップであったころ、Macintoshは非常に高価なコンピュータだった。CPUがPower PCになってずいぶんと価格は下がったが、多くのユーザーにとってMacは割高という印象が強かったように思う。実際には、Power PC後期にはiBookやMac miniといった、Windows PCと比べても割高とは感じられないシステムもあったわけだが、従来からのイメージと、アーキテクチャーが異なるため直接比較できないことがアダ?となって、割高に思う人が多かったのではないだろうか。
MacのCPUがIntel製に代わり、ハードウェアスペックをWindows PCと直接比較できるようになったわけだが、まだ高いと思っている人が少なくないようだ。人気のあるノートPCのMacBookを例にとると、13万9800円からという価格は、6万9800円や7万9800円という値付けのされたWindowsノートPCに比べて高いように感じる。だが、CPUが最低でもCore 2 Duo 2.0GHzであること、低価格WindowsノートPCでは省略されることのある無線LANや、まずサポートされることのないIEEE1394やBluetoothといったI/Oを標準装備していること、メモリやHDDもちゃんと「使える」容量が搭載されていることなどを考えると、今のMacは決して割高ではない。むしろ割安な面(iLife'08といった標準添付されるアプリケーションソフトウェアの充実度など)さえある。
またLeopardでは、これまでβ版が配布されてきたBoot Campがいよいよ正式サポートとなる(逆にTigerのままBoot Campを使い続けることはできない)。Windowsのライセンス料は必要になるものの、Macのハードウェア上でWindowsをネイティブ動作させるBoot Campがあれば、せっかく購入したMacが全くの無駄になるというリスクはほぼゼロだ(正式リリースとなったことだし、販売店などでWindowsをプリインストールして売るのもアリではないかと思うのだが)。
Leopardのリリースで、これから新しいMacのリリースも始まるだろう。どうもWindows Vistaには馴染めなくて……、というユーザーもいるだろうし、中にはMacに興味を持つ人もいるかもしれない。そうした人のために、WindowsユーザーにとってのMac、特にMac OS X Leopardについて、数回にわたって取り上げてみたいと思う。
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