レノボ・ジャパン 研究・開発 デザイン部長の高橋知之氏は、ThinkPad X300のデザインコンセプトを紹介した。歴代ThinkPadのデザインコンセプトに影響を与えてきた著名な工業デザイナーでレノボのデザイン顧問でもあるリチャード・サッパー氏の作品と、「流行とは無縁」というデザインの特徴を踏まえた上で、「シンプルで端正」「流行に左右されない」といったThinkPadのデザインコンセプトを紹介した高橋氏は、ThinkPad X300では「いままで培ってきたThinkPadのデザインをキープしたまま」と述べつつも「新しいものを採り入れました」と、そのデザイン開発を説明した。
高橋氏は、ThinkPad X300のデザインにおいて「一番薄いものを目指した」と、筐体の薄型化を最も重要な目標として紹介しているが、ThinkPad X300では、液晶ディスプレイを支えるヒンジを、これまで無塗装だったシルバーから黒に塗り、質感を重視した塗装処理では天板などの外装部分とキーボードベゼルやパームレスト、液晶ディスプレイベゼルといった“内側”パネルで塗装の方法を変えるなどの変更が行われたほか、キーボードでは、消音アイコン、CapsLock、電源ボタン、そして、ThinkVantageボタンをLEDで点灯させるなどの、使い勝手を改善する工夫が新たに施されている。
ThinkPad X300は、前評判で盛り上がるThinkPadフリーク以上に、大和事業所で長年ThinkPadに携わってきた開発陣も力が入ったノートPCであることが、製品発表会の雰囲気からうかがえた。それは、製品説明会の会場に「基板、回路設計」「無線LAN」「熱設計」「キーボード」「ストレージ」「液晶パネル」「デザイン」「電力制御」「ThinkVantage」「筐体・機構設計」といった多岐にわたる細かいカテゴリー別に説明用のテーブルが用意され、開発を担当したスタッフ自らが詳しく説明していたことからも分かる。
開発者が自信をもって世に送り出し、ユーザーも期待感で熱くなる。そんな「ThinkPad」がひさびさに登場したと感じたThinkPad X300の製品説明会だった。
ThinkPad X300で使えるオプションには、内蔵ドライブの代わりに搭載できる「ベイ・バッテリー」やUSB接続モデム(本体にはモデムが内蔵されていない)、そして、スリムタワー風のUSB接続ポートリプリケータが用意される
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