資金の少ない人が手軽に始める“街のビジネスセンター”だけあって、店の奥に台所があったり2段ベッドがあったりと、店舗がそのまま生活を営む場ということもよくある。若いカップルが経営していたり、小さな子供を抱きかかえた家族がスタッフを兼ねていたりと、その姿はさまざまだが、“ビジネスセンター”という名前とは対極的な生活の匂いが濃厚に漂ってくる。
少ない資金でPCなどの設備をそろえ、そして、生活の場がそのまま店舗となっているので、多くの場合、店のPCはオーナーのプライベートPCを兼ねている。街のビジネスセンターで「ちょっと印刷したいから、“店の”PCを貸して」というと、そのPCのデスクトップからは、暇なときにはオーナーがゲームやチャットをするのだろうか、デスクトップ画面を通じて店長のPCライフを見ることができる。
日本人の感覚からすると意外だが、“街のビジネスセンター”のオーナーは、PCに興味のない人であることが多く、そのため、店員も含めてPCに詳しくないスタッフばかりという店が少なくない。印刷をオーダーしても、うまく印刷できず何枚も無駄にしたり、印刷設定がよく分からないから、利用客に店のPCを操作してもらったりすることもよくある。好奇心旺盛なオーナーの店では、利用客が印刷をオーダーするたびに「それは何だ?どんな意味だ?なんで印刷するんだ?」と質問攻めにあってしまったりもする。
一般的な中国人のPCライフを見たくなったら、印刷したいデータをUSBメモリに入れて、少し汚い印刷屋に突入してみよう。シンプルな店内に漂う生活の匂い、オーナーのプライベートPCも兼ねている店のPC、日本で現役だったころに張られたリース先シールがそのままの中古コピー機など、それぞれに驚きと発見がある。
ビジネスセンターを中国語で書くと「商務中心」となるが、それはホテルだけで通用する単語だ。日本人が中国の地方都市で、この記事で紹介しているような“街のビジネスセンター”に果敢にも飛び込もうとするのなら、道行く地元の人に「在那里打印」(発音は“つぁいなーりーだーいん”となる。意味は“どこで印刷できますか?”)と聞ききながら探してみよう。運良く見つかったら、店員に「我要打印」(発音は“ぅおーやおだーいん”、意味は“印刷したいです”)と声をかけてみること。おっと、いきなり用件を切り出すのではなく、まずはじめに「ニーハオ!」の挨拶をお忘れなく。
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