液晶ディスプレイは付属せず、手持ちの大画面テレビにHDMI接続してハイビジョン番組を楽しむリビングPC「FMV-TEO」がモデルチェンジした。2009年春モデルの特徴は、AVCRECに対応したDixel HDエンジンの搭載や、DTCP-IPの対応、新タイプの小型リモコンの採用があげられる。
新対応AVCRECはHDD録画時ではなく、HDD記録に録画したデータを書き出す際に機能する。富士通研究所の独自アルゴリズムを採用することで、高画質(約9Mbps)ならDVDメディアに約1時間、長時間(約4.5Mbps)ならDVDメディアに約2時間、超長時間(約2.4Mbps)ならDVDメディアに約4時間もの記録が可能になる。そのほか、DTCP-IPに標準で対応し、添付の「Network Player」(2ライセンスが付属)をFMVシリーズ(2009年春モデルのFMV-BIBLO/FMV-DESKPOWERの一部機種が対応)に導入することで、本機に録画したテレビ番組などを視聴することが可能になった。
ハードウェアの変更は、内蔵の無線LANがIEEE802.11b/gからIEEE802.11n/b/g(nはドラフト2.0準拠)へ強化し、2Gバイトのメインメモリ(1Gバイト×2)がPC2-5300からPC2-6400対応に高速化、角形の光デジタル音声出力がドルビーデジタルやDTS、AACをサポートする一方で、FAXモデム機能が省かれた。細かいところでは、付属のリモコンがブラッシュアップしてボタン数や配置を見直すことで小型化したのがトピックだ。
ラインアップは従来と同じ2モデルで、スロットインタイプのBlu-ray Discドライブ(2層/1層BD-REに2倍速、2層BD-Rに2倍速/1層BD-Rに4倍速で書き込み対応)と750GバイトのHDD(7200rpm)を備えた上位機「TEO/C90D」と、スロットインタイプのDVDスーパーマルチドライブと500GバイトのHDD(7200rpm)を搭載した「TEO/C70D」で構成される。AV機器を意識したブラックボディも前モデルを継承しており、Turion X2 RM-70(2.0GHz)のCPUにMPEG-4 AVC/H.264の再生支援機能UVD(Unified Video Decoder)を持つGPU「ATI Radeon HD 3200」を統合したAMD M780GチップセットというAMDのPumaプラットフォームを採用する。3波(地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタル)対応のテレビチューナーを2基内蔵してダブル録画が行えたり、OSにWindows Vista Home Premium(SP1)を採用したりするのも同様だ。
発売は2009年1月16日の予定で、予想実売価格は2008年秋冬モデル登場時を継承し、TEO/C90Dが20万円前後、TEO/C70Dが15万円前後の見込み。
なお、同社直販のWEB MARTでは、HDD容量を最大1Tバイトにしたり、メモリ容量を最大4Gバイトまで増設できるほか、無線LAN機能の有無、22型ワイド液晶ディスプレイやOffice Personal 2007の追加などが選べる「TEO/C90N」と「TEO/C70N」が用意されている。
FMV-TEOの概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
FMV-TEO | TEO/C90D | セパレート型 | AVCREC対応 | Turion X2 RM-70(2.0GHz) | 2048MB(DDR2) | 750GB | Home Premium(SP1) | 20万円前後 |
TEO/C70D | セパレート型 | AVCREC対応 | Turion X2 RM-70(2.0GHz) | 2048MB(DDR2) | 500GB | Home Premium(SP1) | 15万円前後 | |
FMV-TEOの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
FMV-TEO | TEO/C90D | − | − | AMD M780G | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | チップセット内蔵 | 3波デジタル×2 | 約6.6キロ |
TEO/C70D | − | − | AMD M780G | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | 3波デジタル×2 | 約6.6キロ | |
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