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» 2009年03月19日 16時00分 公開

速くてキレイな特大ノート:「VAIO type A」の写真特化モデルを検証する (2/4)

[都築航一(撮影:矢野渉),ITmedia]

Adobe RGBを100%カバーした18.4型フルHD液晶

 ここまで、HDDの接続方式を除いてはほとんど差がつけられていない両エディションだが、液晶ディスプレイはそれぞれの利用シーンに適した使い分けがなされている。いずれも画面サイズが18.4型ワイド、画面解像度が1920×1080ドットのフルHD/16:9パネルを搭載するが、ビデオエディションでは、動画コンテンツの再生にフォーカスした光沢パネルの「クリアブラック液晶」(リッチカラー)を採用。NTSC比で約104%という広色域と動画用の色空間「x.v.Color」への対応が光る。

 一方、フォトエディションの液晶ディスプレイは色域がさらに広く、Adobe RGBの色空間を100%カバーするノングレアパネルが使われている。Adobe RGBの色域を100%カバーする表示環境は単体の液晶ディスプレイでも数が少なく、写真編集をノートPCで完結させたい向きにとって貴重な存在だ。

左がビデオエディションの光沢液晶、右がフォトエディションの非光沢液晶。周囲の映り込みの具合がこれだけ違う

 この液晶ディスプレイは従来モデルと同じ仕様ではあるが、フォトエディション最大の見どころなので、少し詳しく見ていきたい。通常のノートPCよりも圧倒的に広い色域を再現するため、フォトエディションでは、RGBの3チップを独立させた54組のLEDが、バックライトとして使われている。GのLEDを1つ増やした4チップ(R-G-G-B構成)を1組とすることで、広色域と高輝度を両立させている。しかも、色再現を大きく左右するGのチップについては、選別も厳しく行なっているという。

 さらに、このバックライトを直接コントロールすることで、色温度の変更も可能になっており、用途に応じて、5000K(D50)、6500K(D65)、9300Kの中から選択できる。また、用途に応じて色設定のパターンを変更できる「色モード」設定機能(いわゆる画質モード)も搭載し、標準、プリント、テレビ、DVD/BD、x.v.Color、色補正オフのモードを選択可能だ。

 なお、液晶ディスプレイのカラーマネジメントには、外付けのカラーキャリブレーション機器を用いるのが一般的だが、VAIO type Aにこうした純正オプションが用意されていないのは惜しい。とはいえ、フォトエディションでは液晶画面の色温度の設定に合ったICCプロファイルが適用されるうえ、経年変化による輝度や色再現性の低下をカバーすべく、輝度や白色点の変化を自動補正する機能がパネル自体に組み込まれているため、長く安心して使うことができそうだ。

RGB LEDバックライトで広色域を確保した18.4型ワイド液晶ディスプレイは、アスペクト比16:9のフルHD対応パネルを採用(写真=左)。ディスプレイの上部には、有効画素数131万画素のWebカメラを備えている。10キー付きのフルサイズキーボードは、キーピッチ約19ミリ、キーストローク約2ミリを確保(写真=右)。平らなキーを格子状に敷き詰めたVAIOおなじみのアイソレーションキーボードを採用している。キーボードの上にはタッチセンサー式のAVコントロールボタン、パームレストにはFeliCaポート(2.0)を搭載する

 両エディションを横に並べて比較してみると、色再現の違いが明確になる。ビデオエディションはメリハリのはっきりした、比較的赤みが強い印象を受ける一方、フォトエディションは特に青や緑の再現に優れており、微妙な色合いをきちんと表示できている。というより、一般的な液晶ディスプレイは、青や緑の表現が結構苦手だということがよく分かる。

 モノクロのグラデーションを表示させてみると、ビデオエディションもかなり優秀だが、フォトエディションは真っ白や真っ黒近くの微妙な差をさらによく再現してくれる。表示ムラについては、非常に明るいバックライトが端部でもれているような黒浮きを若干ではあるが感じるビデオエディションに対し、フォトエディションのパネルは黒浮きをあまり感じない引き締まった表示。液晶パネルはどちらもTN方式だが、正面から画面を見据えるぶんには、視野角の狭さはそれほど気にならない。動画再生についても、フォトエディションの液晶ディスプレイのほうが好ましいと感じる人も少なくないのではないだろうか。


左がフォトエディション、右がビデオエディションの表示。いずれも色域は広いが、フォトエディションは緑から青にかけての色域がさらに広い

 ただし、1点だけ注文をつけるとするならば、フルHDビデオを意識した1920×1080ドットという画面解像度は、フォトエディションに限っては必然ではない。VAIOノート全体がアスペクト比16:9のパネルを積極的に採用していることや、ビデオエディションとのプラットフォームの共通化、さらにはフルHDパネルが日ごとに価格を下げている市況を考えると、WUXGAパネルの採用は難しいかもしれないが、編集用マシンとしては、特に縦方向の解像度をなるべく広めに確保してほしいものだ。

 次のページからは、利用シーンに即してフォトエディションの魅力を検証していく。

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